風紀委員Girls! 34
紛れもなく、その男は黒獅子の滝谷旬である。
「お、お前、清美の生徒会長だろ?」
「…ふ、不法侵入者ぁああああああああ!!!!!!」
「お、おい馬鹿、大声出すな…!」
旬は舞を背後から抑えると慌てて口を塞ぐ。
「ん、んんんんんんぐぐぐ」
「落ち着けよ…俺はお前に危害を加えに来たんじゃないんだ」
それならこんな女子しかいない所に…男のあんたが何しに来たっていうのよ?…
「実はさ…ちょっと人、探してんだ…」
人探し?…
「この学校によ…白衣着た、背の高い女の先公いんだろ?…」
由真センセだぁ…
旬は舞の拘束を解いた。
「アンタ、由真センセに何の用よ…」
「いや、ちょっとな…」
「昨日寸止めさせられた腹いせか何かかな?」
「ばっ、お前、それ言うか…」
旬は動揺し、顔を強張らせる。
「(コイツも何とかすべき相手だけど、今日はそれどころじゃないんだよなぁ…)」
旬をあしらいながら、舞は考える。
「残念ながら由真センセは休みよ。否常勤だから毎日来る訳じゃないのよ…」
舞の言葉に眉をしかめる旬…
「(やっぱり;アンタって憎らしいぐらいにめちゃめちゃイケメンなんですね…)」
「そっか…そんなら仕方ね―な…お前には嫌な思いさせちまって…悪かったな…」
「えっ、そんな…; 由真センセに何か用があったんじゃ?…」
「いやな…その由真先生とやらに持っていかれた物がちょっとな…」
「(あのパンツのことかよ…)…それってカノジョからのプレゼントか何かだった訳?…」
「そんなんじゃね―よ…ただ婆ちゃんが誕生日にくれたもんだったからよ…」
旬のその言葉を聞いて、舞は思い出す。
「(…そっか、此奴、両親いなくて、おばあちゃんと2人暮らしなんだっけ…)」
不良集団のトップに担ぎ上げられた男ではあるが、その内面は優しいんだ…舞はそう思った。
「わかった。返してあげるから、今日はこれで帰ってくれる?」