風紀委員Girls! 328
「えっ、旬?…どうしてここに?…」
舞は驚きの声を上げながらも、気持ちが高揚してしまう。
「なんでお前は俺に相談しないんだよ!もしものことがあったらどうすんだ?!」
舞が並外れた力を持っていることは分かってはいたが、旬は何よりも舞が心配だったのだ。
「ごめん…でも旬は連絡つかない所にいたから…」
「あ、あぁ…そりゃ、お前にも心配かけたよな…」
旬は少し照れながら頭をポリポリ掻く。
「まぁ、でも、旬が来てくれたんなら心強いし、嬉しいけど」
舞も視線を逸らし、頬を赤く染める。
「なんだかんだで仲良いんだなぁ」
「ばっ、お前はっ」
2人の煮え切らない関係に突っ込んだのは佳奈。
「バカップルを演じるのは後にして、今はこっちを解決するぞ」
『誰がバカップルだよ!!』
舞と旬のツッコミを軽く制し、凛が扉の前に立つ。
「さぁ!行くよ!」
「ちょっと待ったぁぁ!!」
「おい信吾…なんでお前が来たんだぁ?…」
「た、滝谷さん…俺の妹が…瑞穂がぁぁぁぁ…」
「えっ?!…瑞穂さんって…信吾くんの妹さん?…」
恐る恐る聞いた舞の声は振るえていた…
「信吾…お前、妹いたのかよ」
「は、はい…ひとつ下で…」
佳奈がまだ持っていた瑞穂の学生証と信吾を見比べる。
「兄妹?それにしちゃあんたと似てないじゃん」
「まあ…俺と瑞穂は、血はつながってないから…」
「それって…?」
「俺と瑞穂は互いに両親に捨てられて、孤児院で育ったんだ…、たまたま俺を引き取ってくれた人がいい人で、暫くしてから瑞穂も養女にしてくれたんだ…」
「お前が頼んだんだろ?…」
「ああそれゃあそうだよ、俺にとって瑞穂は妹同然なんだ!」