風紀委員Girls! 326
「すぐに病院に…救急車を呼ぶは…」
椎奈は舞の側に駆け寄る…
「ええそうしてください。外に家の生徒がいますから…」
椎奈が少女を抱き抱え、工場の出入り口まで来た時、調度入って来た旬と凜に出くわした。
「ど、どうしたんだよ…その子?…」
旬の言葉に椎奈の血が上る。
「貴方と同じ黒獅子連中に、やられたのよ!…」
「な、なんだって…」
旬は愕然とした。
「黒獅子のトップでありながら、下の人間の管理が出来てないから、こんなに可愛い子が酷い目にあうことになったのよ!」
椎奈は吐き捨てるように言う。
「す、すまない…」
旬は反論せず、ただ謝るだけ。
「行くぞ、滝谷」
「ああ…」
その旬の肩を軽く叩き、凛が先を急ぐよう促す。
椎奈はその後姿を見送った。
「椎奈さん!」
少女を抱え外に出た椎奈の前にいたのは、彩未と明日香、彩・理穂の4人。
「誰かすぐに救急車を呼んで!この子、出血してるのよ!…」
椎奈の叫ぶような声に驚きながらも、4人は少女を見て愕然とした。
桜咲のジャケットに包まれてはいるものの、その下には何も着ていないことは一目で分かった。
しかもその内股に流れる赤い血の出所は、誰に聞かずとも女なら分からない訳はなかったのだ…
彩未がすぐに携帯を取り出し電話する。
明日香たちも椎奈を手伝い、少女を介抱する。
少女が救急車で搬送されたのは、それからもう少しした後のことだった。
……………………
再開発地域から少し離れた場所に位置するファミレス。
可憐はアイスティーを啜りながらタブレットで送られてくる情報を注視する。
「可憐さんっ!!」
「お?どーした信吾くん…そんな慌てて」
「い、妹が時間になっても帰ってこなくて…携帯も繋がらなくて」
「妹さんって、もう中学生でしょ?お兄ちゃんに隠れて、友達と遊んでいるんじゃない?…」
「でも、今までこんなこと無かったんです!…」
信吾は可憐の言葉に食い下がらなかった…
「心配いらないと思うけどぉ〜。で、妹さん…何処の中学だっけ?…」
「桜咲です!桜咲付属中学…」
「えっ、そうなの?…」
可憐の表情が強張る…
「信吾くんの名字って…?…」