風紀委員Girls! 323
「フン、男なんて皆そういうもんなんだろ…情け無い話だ」
「こればっかりは、反論はできないな…」
呆れ憤る凛に、旬は俯く。
「俺たちも舞の後を追うか?」
「お前に言われなくてもそうする」
旬と凛もまた、暗闇の先に歩を進める。
………………
恵里奈を先頭に、静香、佳奈、椎奈、菫の5人が工場の前に立った時、鉄扉の前に落ちているチェックの布を菫が拾い上げた。
「恵里奈さん…これって?…」
皆が菫の手元を見て、目を見開いた。
「これって桜咲附属中学の…?」
静香はそれがそうだとは信じたくはなかった。
「間違いない…。これ、桜咲附属中学の制服のスカートだよ…」
卒業生である椎奈がこれを見間違える訳はなかった…
「どうしてそんなものがここに…?」
明らかに動揺した感じで、静香は尋ねる。
「それは、覚悟した方がいいってことね」
「ま、マジで…?」
落ち着こうとしながら、恵里奈が震える声を出し、佳奈が表情を凍らせる。
さらに進むと、財布やスマホも散乱していた。
「これは…」
椎奈が言葉を失いかける。
見覚えのあるご当地キャラのマスコット…
ピンクの財布からは学生証が覗いていた…
「私たちが来ると知っているのに、なんでこんなことを…」
椎奈の異変に気づかない佳奈が眉をしかめ、落ちている学生証を拾い上げる…
「椎奈、大丈夫か?」
菫が椎奈の肩にそっと寄り添う。
「うん…大丈夫…」
佳奈の拾い上げた学生証。
『桜咲附属中学 3年1組 山本瑞穂』
「うわ、すっごい可愛い子が…まさか…」
「…ホントね」
恵里菜も沈痛な面持ちだ。