風紀委員Girls! 317
「…」
明日香と凛に昨晩の出来事を見事に言い当てられて、旬は何も言えず俯く。
「うん、まあ誘ってきたのはユリナさんの方でしょ、なら仕方ないね」
「お楽しみだったのは結構だが、それじゃ証言もできないよな…」
「…………面目ない…;」
旬は教師に怒られる小学生の子供のように小さくなる…
「まあまあ、滝谷も男の子ってことさ!あんまし気にすんなって!」
凜はがっしりと旬の肩を組み、ポンポンと身体を叩いた。
「お、お前に言われるとなんか癪にさわるな…」
「なんだ?昨夜のこと、舞に言ってもいいのか?」
「それは困る…」
自分も猛獣の様相を見せながら、目の前の猛獣を躾ける…凛の能力に明日香は呆然とするほかなかった。
「さて、後は首謀者である根来と雑賀の居所を突き止めるにはどうしたらいいかだね…」
「滝谷くんは彼等が隠れていそうな場所、知らない?」
「ああ…残念ながらアイツらとは敵対していたからな…、殆ど口も聞いたことねーんだ…」
「黒獅子のトップでありながら、アンタも相当孤独だったんだ…」
凛は旬に組んだ手をまだ離してはいなかった。
「お前なぁー…誰とも口を聞いてねー訳じゃねーよ!」
旬は凛の腕を振り解こうともがいたが、凛はそれを許さなかった。
「ふーん、黒獅子の中でも派閥とか確執とかあるんだね」
「まあ…昔っからの流れみたいだけどな」
「根来と雑賀って、そんなに強硬なの?」
「ああ、少なくとも俺や直矢が何か言ったとしても聞く奴らじゃないな」
…そこに、美咲から明日香にメールが入る。
「…そういえば理穂と彩がこのへんで調査してたはず」