風紀委員Girls! 315
「はいはい、滝谷くんも凛さんもそこまでそこまで」
明日香は2人の間にずいっと入って食い止める。
「…そうだな」
「…すまない、明日香」
…物分りのいいのは助かる。
「で、滝谷くんは昨日の夜、ずっと家にいたんだよね?」
「ああ」
「何をしてたかはおいといて、彩未ちゃんが助けを求めてきたんだよね?」
「ああ、見ない顔なんで初めは驚いたけどな…」
「前に滝谷くんに助けられたことがあるって言っていたけど…?」
「そのことは帰ってきてから聞いたさ…だけどそんなこといちいち覚えちゃいねーぜ…」
「滝谷は年増女にしか興味ないんだもんな…」
「ぅおい!;俺にだってちゃんと高校生のカノジョがいるんだぞ!」
「よっ、出ました、交際宣言!」
「バカ、お前も煽らなくていい!」
明日香が茶化すと旬は真っ赤な顔に。
「いやあ、年上好きの君があんな可愛らしい子と付き合うとは…美少女と野獣って感じかな?」
「…じゃあ、お前にはそんな男がいるのかよ」
にやける凛を旬が睨む。
「まあまあカレシカンジョのことは置いといてぇ〜‥、それで滝谷くんは出掛けてから直に戻って来たって訳ね?」
明日香は強引に話しを元に戻す。
「ああ、彩未の言っている場所には誰も居なかったんでな…」
旬は不貞腐れながら答える。
「あら?『彩未』って呼び捨てな訳?」
「ぅあ;…あ、当り前だろ…俺ら一晩一緒にいた訳だし…」
「へぇ…一晩一緒にいたんだ…」
「な、なんだよ…それがどうかしたのかよ…」
訝しげに言う凛に、旬は汗を拭いながら返す。
「さぞ楽しい一夜だったのね〜」
「違う!彩未とはそこまではいってない!」
「彩未『とは』…?」
旬の言葉に、今度は明日香が不思議がる。