風紀委員Girls! 301
「(…なんだ、こうして見ると意外と面白くていい子なんじゃん…)」
冗談を飛ばし笑う凛を見て、明日香は安心感を得る。
「で、凛ちゃんは黒獅子や青海の奴とは関わりはあったの?」
「いや、特にはないな…」
「でも滝谷旬のことは知っていたって訳よね?」
「ああ、アイツとは中学ん時、一度タイマン張ったことがある。」
「ぅえ!?そうだったの?」
「細い身体の割に、なかなかの腕っぷしだったさ…」
「あ;…そうだったんだ…」
それは貴女も一緒でしょ;…と言う言葉を舞は辛うじて飲み込んだ。
「ただ、ひとつ引っかかるところがあると、私は思うんだ」
「それは?」
「うん…滝谷にしても、青山ノブアキにしても、争いを好まない、心優しい男だと思うんだ」
「それは、私も思ってる」
凛の言葉に舞は同調する。
「つまり、2人の周りの人間が勝手に動いているだけだと?」
「そうともいえる」
凛は一呼吸置いて、続ける。
「まあ、それと最近の事件をつなげるものが何もないのが、不思議なところだけどな…」
「そもそも我が校の木戸樹、春日愛それに渕上茉莉亜が起こした事件が発端なのよね…」
明日香がポツリと言う。
「聞いたよ。3人とも黒獅子に相当な恨みを持っているとか…」
「ええ、木戸樹のお兄さんは黒獅子の男子に集団リンチに合っているし、渕上茉莉亜のお姉さんは今回のようなレイプ事件…」
「春日愛は?…」
「彼女のお兄さんも黒獅子の連中に相当いびられていたらしいは…」
「私ら春日愛とは同じ中学だったんだ…上に2人の兄貴がいた筈だけど…」
「直ぐ上のお兄さんが苛めにあっていたのね…」
「そう言えば…一番上のお兄さんは今刑事になっているって聞いたぞ…」
「へぇ、刑事さんかぁ…ひょっとしたら、今頃麻耶さんと一緒にこの事件の捜査に当たっているかもねぇ〜」
…なんて明日香が言っている頃…
「へっくしっ!!」
「おう春日、風邪引いたか?」
「いえ、そういうわけじゃないっす…」
そう、この麻耶の隣にいるのが春日純。
三兄妹の一番上の兄である。
彩未が少しお疲れなので、今は休憩中。
「なぁ、春日」
「はい?」
「ちょっとさ、お前の弟の件について、知ってること教えてくれないか?」