風紀委員Girls! 300
「怖がらないでいいよ…何も取って食おうって訳じゃないし…」
ボソッと呟く声は、低く野太かった…
「またぁ凜ったらそんなこと言ったらまた誤解されるでしょ!…」
麗華が凜を庇うように割って入ってきた…
舞は凛を見上げながら怯えた表情をする。
身体が小刻みに震え、口をパクパクさせ、微動だにしない…
「(アリシアがいれば、『蛇に睨まれた蛙』とか言うんだろうな)」
隣で明日香は苦笑いする。
「えっと、悪いね。村川さんに話があって…」
「構わないよ…一度話をしてみたいと思っていたんだ」
フランクで人当たりのいい明日香、凛も落ち着いた笑顔を見せる。
「実は村川さんにお願いがあって来たの…」
「あ、凜って呼んでくれて構わない…その代わり私もあんたらを名前で呼ばしてもらうからよ…」
「あ、はい…私は明日香…」
「うぁ…ま、舞ですぅ…」
「はは、まだビビってんのかよ?…アンタそれでも滝谷旬のカノジョなのかぁ?…」
「へひゃっ!?」
思いもよらぬ言葉を受け、舞がおかしな声を上げてしまう。
「あらぁ、噂は広まるものですねぇ」
「うむ、本人は隠していても、その態度で十分わかるからな」
笑う明日香と凛の横で、舞は真っ赤になって俯いてしまう。
「植田さんもありがとう。あなたの協力がなければ成り立たなかったよ」
「いえ、私も凛ちゃんに対する誤解を解きたくて」
凛の後ろで麗華も微笑む。
「よかったら私も協力させて欲しいは…椎葉さんのことは私も辛いは…」
「植田さん…」
「凜ちゃんみたいに力は無いけど、凜ちゃんのコントロールは私しか出来ないし…」
「おい!…私はキングコングかよ?!…」
横目で麗華を睨みつける凜…それでもニヤリと笑っていた。