風紀委員Girls! 299
「事件の中心人物が捕まってないんだって…なんか怖いよ」
「…風紀委員がヤられるくらいだから、余程のことなのね…」
凛の隣にいるのは植田麗華。
幼い頃から凛と親しく、彼女の誤解を解いてきた理解者である。
「その風紀委員さんが凛ちゃんに話をしたいと言っているんだけど」
「そう…」
「力を貸してほしいってことだと思うけど…どうする?」
麗華は覗き込むように凜の顔を見た。
「面倒に巻き込まれるのは御免だはね…」
長い髪をかき上げながら凜は言う…
「私は皆の誤解を解くのにはいい機会だと思うよ…」
「誤解、か…」
その単語に凛は俯いて考え込む。
「凛ちゃんは、今までのこともあって、良くない噂が広まってる気がするの…ここで協力すれば、みんなの誤解も解けるし、仲良くなれると思うんだ」
「麗華…」
葛藤する凛と、その側にいる麗華。
それを遠くで、舞と明日香が見ていた。
「あ、天野さんと西山さん…」
2人の姿に気づいた麗華が声を上げる。
「ちっ、まだ協力するって決めた訳でもないのに…」
凛は文句を言いながらも、何処か嬉しそうに頬を緩めた。
「生徒会長が直々にお願いしに来たんですもの…こうなったら仕方ないんじゃない?」
麗華は凛の背中を押すように言う。
「仕方あるまい、そうしようか」
凛はため息ひとつ吐いた後、ゆっくりと腰を上げた。
その表情は、少し嬉しさも含まれていた…
舞と明日香も、凛と麗華のところに近づく。
「え、ええと…村川さん…」
舞はオドオドしながら凛に話しかける。
身長150pにも届かない舞、対して凛は170pを越える長身。
それだけで威圧されるのも無理はない。