風紀委員Girls! 298
鼻に着く男たちの臭い…
これが男の精液の臭いなんだと、桃子は初めて知った…
「大丈夫か?…」
男たちが去った後、一人の男子が顔を拭ってくれる。
聞き覚えのある声…
桃子の意識はそのまま暗転していった…
「桃子を襲った主犯格の奴は未だ逃走中ってことか」
「滝谷旬でも扱うのに手を焼いていたそうですわ」
現場をたどるアリシアと伊織。
「そんな奴を見つけるだけならまだしも、ひっ捕まえるとなると…」
「こちらも最終兵器を用意するしかないでしょう」
「あの子ね…」
2人の会話に現れた『最終兵器』…村川凛。
舞たちも恐れる『狂犬』と呼ばれる彼女…
「でもあの子が素直に協力してくれると思う?…」
「それなりの餌は必要でしょうね…」
「餌か…、ところであの子が興味のありそうなことって何なのよ?」
「うぅ〜ん分からない…何せ入学以来、怖くて話して無いもの…」
「それは私も一緒…いつ噛み付かれるか分からないもん…」
「私たちにはお手上げってことね。ここは美咲に頼るしかなさそうね…」
…何やら得体の知れない猛獣のように言われている村川凛だが、ルックスは誰もが認める美少女である。
ただ、彼女に関しては近寄りがたいオーラが異常に強く、アリシアや伊織でさえ話したことがないくらい。
そんな凛が『狂犬』と呼ばれる理由…
それは彼女が旬や直矢、龍次同様、いやそれ以上の問題児であったことに由来する…
男顔負けの彼女の凄さは、もはや伝説となっていた…
現に今まで、清美の生徒が黒獅子や青海の連中に一目置かれていたのは、彼女の存在があったからと言って過言では無かったのだ…
「随分と私も甘くみられたものね…」
桃子の事件を聞いた凜は、小さく呟いた…