風紀委員Girls! 297
「キミはさっきから余計なことを言い過ぎ。今は彩未ちゃんの言うことを聞いてあげてよ」
麻耶がその新米刑事をにらみつける。
「…それで、彩未ちゃんは滝谷旬と現場に向かったの?」
「いえ…滝谷くんが猛ダッシュで行ってしまって…」
「それで君は、よく知りもしない男の家に残ったってことかよ?」
新米刑事がまたもや口を挟んでくる。
「だからぁ春日ぁぁ〜、キミは黙ってメモを取るぅ…」
麻耶は苛つくい風に、指先でコツコツと机を叩く。
「そりゃ無いですよ先輩!僕にも捜査に参加させてくださいよぉぉ〜!」
春日と呼ばれた新米刑事が麻耶に泣きつく。
「だったら彩未ちゃんをあんまり刺激すること言わないの。親友が可哀想なことに…」
「いえ…私は大丈夫ですから…」
「で、彩未ちゃんはそのまま滝谷くんのお家に留まっていたのね?」
「はい」
「結局滝谷くんは犯行現場近くまで行ったにも関わらず…帰ってきたのよね?…」
「はい、私はてっきりもう…避難できたんだとばかり…」
「滝谷旬が現れたことで、黒獅子連中は被害者を隠し、自分たちも息を潜めたって可能性は高いはね…」
「ちょっと待って下さい…滝谷旬は黒獅子のトップなんですよね?…」
「彼はこんなことを最も嫌う硬派中の硬派なのよ…春日には分からないかしら?…」
「でも、現場には滝谷旬の下着が落ちていたんですよね?」
「一度公園に来たときに、本人も気づかないうちに落ちていたのね」
「それで、気を失った被害者の傍に、連中がそれをわざと落としておいたと?」
「十分考えられる線じゃない?」
春日の言葉に、麻耶はニヤリと微笑む。
……………
旬が去った後も、桃子は陵辱の限りを尽くされた。
朦朧とする意識の中、走馬灯のように浮かぶ舞、彩未、美菜子の姿。
「(ごめん、みんな、私、もう…)」