風紀委員Girls! 296
「清美の生徒だからって、私たちには関係ないはよ。いちいち学校単位で考えるんなら、黒獅子なんて全員刑務所行きじゃない!…」
「な!なにをぉ!!」
桃子はこんな挑発するようなことを言うべきでは無かった。
黒獅子の男子たちは皆、桃子が思っている以上に直矢のヤラれた逆レイプ事件に動揺していたのだ…
男の一人が桃子にジリジリ近寄り、強烈なビンタを一発お見舞いする。
「…!?」
小柄な桃子は、それだけで意識がぐらついた。
「おいこの生意気女、思う存分やっちまおうぜ!!」
連中は桃子の身体を抱え、公園に向かって歩いていく。
一方の彩未は、一目散に、ただひたすら必死に走った。
後ろで、桃子の悲鳴を聞きながら、込み上げる涙を堪えて…
助けを呼ばなきゃ…
そう思い気がつくと、バラックのような古い家が立ち並ぶ貧民街に来てしまっていた…
それでも藁をも掴む思いで辺りを見回すが、どの家にも明かりは灯っていなかった…
誰か…助けて…
さ迷い歩く目の先に見えた唯一の明かり…
古いアパートの2階だった…
階段を駆け上がり、藁をもすがる思いでインターホンを押す。
「はい…って、君は…」
「えっ…滝谷くん…?」
「どうしたんだ、こんな時間に…」
「友達が黒獅子の人に襲われて…助けてください…」
「な、なんだって!?」
彩未の言葉に動揺した旬は、着の身着のままその現場まで向かうのだった。
………………
「それじゃ、滝谷旬の家とは知らずに?…」
警察で彩未の話しを聞いてくれているのは、偶然にも麻耶だった…
「はい、明かりの見える家はそこだけでしたので、無我夢中で…」
「それが黒獅子トップの滝谷旬の家だったとは、随分と都合がいいんじゃないか?」
麻耶の横に立った新米刑事が、彩未に向かい眉をしかめる…