風紀委員Girls! 295
「普通はポケットに下着なんて入れないよね…何かあったのかな?風呂上がりで急だったとか?」
「それでもあり得ないでしょ」
腕組みして考える涼と、それに突っ込む真里奈。
真里奈は、旬が直前まで自分の姉と関係していたことは、まだ知らない。
一方、伊織とアリシアは桃子が襲われた現場の公園に来ていた。
警察の捜査もあり、規制線が張られ立ち入りはできない。
「ここから彩未さんは滝谷旬の家まで走っていったのよね?どのくらいかかったのか…」
その方角へ足を伸ばしてみた。
「普通、滝谷旬の家に行くよりも警察に連絡しない?…」
「したくても出来なかったのよ、彼女現場に携帯置きっぱなしだったみたいなの…」
「逃げるのに精一杯で、そんな余裕はなかったって訳か…。でももっと近くの家に助けを求めとかは?」
「生憎この辺りって開発地域じゃない、住んでる人も疎らみたいなんだよね…」
「それで滝谷旬の家に行くしかなかったのか…」
「ところで、彩未さんと滝谷旬ってどこで接点があったのでしょう」
「通学中のバスで痴漢にあったところを助けてもらった、らしいよ」
「へえ…」
公園から歩いて数分ほど。
「この辺で、お二人は黒獅子の連中に絡まれたそうです」
「それで、桃子は公園まで連れて行かれて、彩未ちゃんは逃げることができて滝谷の家まで…ってことね…」
「彩未ちゃんが家に行った時、滝谷旬はAVでも観ていたってことかしら?…」
「それって下着がポケットから落ちたってことが気になっているのよね?…」
「ええ、それで慌てて下着も着けずにズボンを上げ…落ちていたパンツは見られないようにポケットに隠した…」
「それなら納得がいくはね…」
…昨日の夜のことをイメージする伊織。
黒獅子の男たちに囲まれる彩未と桃子。
「直矢さんをよくも酷い目にあわせてくれたな」
「…何の話?」
「しらばっくれても無駄だからな、清美の女がやったってのはわかってんだからな?」
「も、桃子…」
「彩未は逃げて…こいつらは私が何とかするから…」
このとき、桃子は覚悟が出来ていたのだろうか。