風紀委員Girls! 294
「そんなぁ顔しないでぇ…私は大丈夫だから…」
桃子は大粒の涙を落としながらも、皆に心配かけまいと強がって見せる。
「桃子ぉぉ…」
美菜子の涙腺は一気に崩壊し、桃子に駆け寄りながら大泣きしてしまう。
ベッド脇で泣き崩れる美菜子。
桃子は美菜子の頭を優しく撫でながら、一緒に泣いてしまう。
「もう、どっちが被害者かわからないよ」
「仕方ないよ…美菜子と桃子って、長い付き合いなんでしょ?舞と、彩未ちゃんを含めて」
涼と真里奈がそれを見て呟く。
「桃子さん…思ったよりも酷くなくて、…」
「うん、そうだね…」
静香も少し声を詰まらせる。
「ありがとうございます、静香さんにまでご心配お掛けしちゃったんですね…」
少しは落ち着いたのか、桃子が静香に声を掛けた。
「そんな気を使わないでぇ…居ても立ってもいられずに来てしまったのは私の方なんだから…」
「嬉しいです…静香さんのその気持ち…勇気付けられます…」
「いえ、私も、申し訳なくて…自分の身を犠牲にして、彩未を守ったのですから」
「咄嗟に身体が動いただけです…彩未は、あいつらに汚されたくないと思ったから。私も後で追いつこうと思ったんですけど、それは残念ながら出来なかった…それでこれです」
「ところで、彩未ちゃんは今どこに?」
真里奈が静香に尋ねる。
「実は彩未、滝谷くんの無実を証言するために警察へ行っているの…」
「滝谷旬の?…」
「ええ、滝谷くんを現場に連れて行ったのは彩未なんですもの…」
「でも下着が落ちていたって…」
「滝谷くんのポケットから白い布が落ちたのを彩未は見たそうよ。どうして下着をポケットに入れていたのかまでは分からいみたいだけど…」