風紀委員Girls! 291
美菜子は涼と真里奈を連れて病院にやってきた。
「やっぱり…中には入れないか…」
「桃子、大丈夫かなぁ…」
黒獅子の男を取り押さえ、救出したときの桃子の姿は周りの人たちが言葉を失うほどであった。
手足はロープで縛られ、顔と制服には大量の精液を浴びせられ、意識を失うまで犯されたのだ…
木戸樹たちがとった行動が、今更ながらに分かる…
「こんなこと…許せない…」
美菜子は拳を握りしめる…
その手に掌を宛がう真奈美…
「気持ちは私も同じだけど、報復なんてしたら黒獅子の連中と一緒だよ……」
「真里奈さん、美菜子さん…」
「ん?」
後ろから名前を呼ぶ声がして、美菜子は振り返る。
ここにいるのが意外な人物。
「お久しぶりです…」
青山静香である。
「静香さん、どうしてここに?」
「清美の方が大変なことに巻き込まれて、他人事ではありませんでした」
「それは、わざわざ…」
「彩未が言っていたんです…彼女は、自分を守るために犠牲になったんだって…」
「マジですか?…」
「ええ、こんなことになってしまい、彩未も酷くショックを受けています…」
「そのこと警察には?…」
「もちろん言いました…滝谷くんに助けを求めに行ったことも…」
「え、滝谷旬に助けを?…」
「桃子さんのお陰で逃げ出すことの出来た彩未は、真っ先に滝谷くんの家に行ったそうなんです…」
「それじゃ、滝谷はやってないってことじゃ…」
「ええ、滝谷くんはすぐに解放されると思います」
桃子は学校帰りに彩未と遊ぶ約束をしていて、その帰りに黒獅子の連中に絡まれ、桃子は彩未を逃し、自分が犠牲になったということか…
…そこに
「おう、あんたらもいたのか…」
「あー、赤羽根か…」
青海のナンバー2、赤羽根龍次。
「まさか、こんなことになるとは俺も思わなかった」
「…だよな」
「気をつけろよ、事件はまだ終わっちゃいないんだ」
「どういうことさ?」
「黒獅子のナンバー3とナンバー4、根来泰輔と雑賀光の2人が絡んでいるらしい。滝谷はその2人を必死で止めてたらしいんだけどなぁ…」
「で、その根来と雑賀は?」
「どこに行ったかわからないんだよ、それが」