風紀委員Girls! 288
慌てて散乱する衣服を拾い上げる…
あれ?…パンツがねーや…
二人で組み合っている間に、箪笥の下にでも入ってしまったんだろうと、旬は仕方なくノーパンのままズボンを上げた…
カタンカタンと金属の階段を上がってくる音が旬の耳に届いた。
「舞、帰って来たよ!急いで!…」
急いでズボンを引き上げる旬。
「旬、ユリナさん、ごめんなさい、今帰りましたー」
そのとき、舞がドアを開けた。
「あ、舞ちゃん、お帰り」
「おう…」
「…どうかしたの?」
ユリナも旬も動揺した様子は見せず、
「なんでもないよ」
「おう、なんでもないぞ…」
平然と振舞うのだった。
「で、桜さんの方はどうだった?…」
ユリナは話題を舞の方に振りながら、何気に旬に目くばせする…
ん?…
旬は怪訝な表情を浮かべ、ユリナの視線の先を目で追った…
ヤ、ヤベ…
舞の足元に丸まっている白い物体…
それは紛れも無く、旬が穿いていたあのパンツだった…
「はい、桜にはここに留まってもらって、事務所に相談して新しい住まいとかの話を進めることに…もちろん、私たちも協力して…」
「そう…それが一番ね。何かあったら、私にも声かけてね」
「はいっ」
舞が足元のものに気づいているのかいないのか、旬はわからない。
「それじゃ舞ちゃん、行きましょうか」
「はーい。じゃあねー、旬」
旬に向かって満面の笑みを見せ、舞はユリナとともに部屋を出た。
旬は慌ててパンツをズボンのポケットに突っ込み、二人を下まで見送る…
「ごめんね、今日は…」
舞は旬に向かい、拝むように手を合わせた。
「そんなこと気にすんな…また何時だって来てくれよな…」
旬は舞の髪を子供にするようにくしゃくしゃと掻き混ぜた…