風紀委員Girls! 270
「ユリナさんは桜咲ですよね?…」
「ええ、桜咲から青海大へ…この辺りではお決まりのコースよね…」
ユリナさんは青海大学にも行ったのか…
渕上茉莉亜のお姉さんと同じコースってことだよね…
「その清美学園のお嬢さんたちが、亮に何を聞きに来たって訳?…」
「えっ…あー、あのっ」
「渕上亜里沙さん…ご存知ですよね?」
舞より先に、桜がユリナに尋ねた。
「あぁ…亜里沙ね…ええ、高校では同じクラスだったわ」
ユリナは不思議に思いながらも答える。
「じゃあ…あのことも、知ってますよね…?」
「あ、ああ…」
ユリナの表情が次第に強張っていく。
「黒獅子の男子に性的暴行を受けた女子大生…それが渕上亜里沙さんですよね…」
落ち着いた口調で、桜はゆっくりと言った…
「そ、そうね…そんなこともあったかしらね…でもそれが亮と何の関係があるっていうのよ?!…」
明らかに動揺したユリナの口調は強くなっていた…
「その当時の黒獅子のトップ…黒獅子男子を纏め上げていたのは滝谷亮…多岐亮さんの本名ですよね?…」
「そ、そうだったの?私は知らないなぁ…亮もそんなことは話さないし、黒獅子のことはわからないわ…当時は関わるなって言われてたもの…」
ユリナは困ったように、言葉を選んで話す。
「でも、亮は関係ないって信じたいな…そんなことする人じゃ絶対ないから…」
「そうですか…」
「貴女たちも軽々しくそんな噂流さないでよ…亮にとっては今が大切な時期なんですから…」
ユリナは声を潜めながら言う…
「はい…それは私たちも分かっています…何の関係が無くてもスキャンダルにでもなれば大変ですよね…」
「そんなことになったら、今回の映画は勿論…ドラマもCMも全て降ろされるでしょうね…」