風紀委員Girls! 252
「えっ…?木戸さん、婚約者ってどういうこと?…」
アリシアが会話に割って入る。
ノブアキに婚約者がいたという情報は、アリシアには届いていなかった。
「知りません?…コイツはこんな爽やかそうな顔して、とんだスケベ野郎なんですよ!…」
「き、君は…誤解されるような言い方はやめてくれないか…」
ノブアキが困ったように言う。
「ノブアキさん、婚約者って…」
「ええ、間違いありません…本当の話です…」
アリシアの問いに、ノブアキはあっさりと認めた。
「相手…」
「皆さんもご存知でしょう…清水碧さんです…」
「あぁ〜、碧ちゃんとぉ〜」
財閥である清水家の一人娘と、青山家の跡取りであるノブアキが婚約していても何の不思議はなく、アリシアは妙に納得する…
「それも今回の雲隠れと…関係があるの?…」
ノブアキは俯いたまま、小さく頷いた…
「長らくこっちの家に帰ってなかったので、母に報告をしたかったんです…」
「それだけなら時間はかからないのでは…?」
結花は疑問を率直に投げかける。
「…そんなときに、見てしまったんですよ」
ノブアキの声が、明らかに震えていた。
顔色も血の気が引いたように見る見るうちに青冷めていった…
「見たって何を?…」
ノブアキの怯えたような変化に、皆が驚き、息を飲む…
「は、はい…こんなこと貴女たちに話してはいけないと思うのですが…」
「心配しないで…ここで会ったことは、誰にも言わないって約束するから…」