風紀委員Girls! 251
「ここまでたどり着くのだから、皆さん知っているでしょう…」
ノブアキは語り出す。
「僕は、青山家の人間ではない…血のつながりがまったくない、他人なんだ」
結花が尋ねる。
「では、このお家は?」
「母が暮らしていけるよう、あの人が用意してくれた…」
「あの人?…」
「青山仁…僕を青山家に引き取った、父親ですよ…」
青海学園を運営する青山コーポレーションの代表、青山仁…
マスメディアにも取り上げられることの多い彼のことは、結花も知っていた。
「こんな所に住まなくても…青山家といえば莫大なる敷地があるじゃないですか…」
「それが出来たら、ここまで苦労はしませんでしたよ…」
「じゃあ、なぜ?」
「母を屋敷に入れてしまったら、何を言われるか、何をされるかわからない…そういう恐怖を、僕も、あの人も感じているからです…」
「恐怖って…」
「人種の問題、宗教上の問題…いろいろありすぎて…」
ノブアキは俯きながら、アリシアの質問に答えていく。
「だからって…テメーが兄貴にした仕打ちが、許されると思ってんじゃ…」
愛が涙声でノブアキに言い放つ。
「渕上くんには申し訳無かったと思っているさ…彼の気持ちに気づいていなかったといえば嘘になる…」
ノブアキはしっかりと愛の目を見つめ言った…
「兄貴は本気だったんだ…それを弄んだのはアンタだ…」
「いや、それは誤解だ…あんなことになるなんて僕は思いもしなかったんだ…」
「(ただならぬ関係だったのね、ノブアキと彼女のお兄さんは)」
和葉は考える。
「愛のお兄さんを傷つけ、退学に追い込み、自分は金持ちの家にのうのうと暮らして婚約者まで手に入れた…人としてどうかしてるよ…」
樹が冷たい口調で言い放つ。