風紀委員Girls! 249
ノブアキが顔をしかめる。
「…かなりの力ね、ノブアキ大丈夫かしら」
「…にしても、春日愛、相当怒ってるんじゃ」
ノブアキはなんとか止めるよう説得しているようだが、愛の手はそれでも離れない。
「彼女のお兄さんの退学に、ノブアキが絡んでるってことかしらね」
アリシアが呟く。
「その辺りのことは美咲から情報入っていないの?…」
和葉がアリシアの顔を見る…
「家庭の事情で…ってことになっているそうだけど…そんなの表向きなんじゃない?…」
「言えてるぅ…家庭の事情とか一身上の都合とか、辞める時の常套句だもんね…」
「春日愛があれだけ怒っているんだもん…彼女のお兄さんの退学になったことに、ノブアキが何かしら関わっていると思って間違いないんじゃない…」
事態は収束する気配がない。
「止めに入らなくて大丈夫かな…」
「今行くとまずいでしょ…様子見に徹しましょ」
アリシアが結花を制して言う。
樹も茉莉亜も愛を止めようとしない。
「ノブアキが水上みたいになるのは勘弁だよ…」
「それは…ならなさそうね」
心配する和葉だが、アリシアは冷静そのものだ。
彼女たちの視線の先、春日愛はノブアキの首根っこを掴んでいた手を離し、その場に崩れ落ちたのだ。
「あらあら…泣いちゃったよぉ…。」
「感情が昂り過ぎたってことよね…」
「それにしてもノブアキは、逃げたり反撃したりしないんだね…」
「それがノブアキの優しいところよ…それが彼の弱点なんじゃない?‥」
「うぁ。。ホントだぁ‥」
春日愛に変わり詰め寄る木戸樹と渕上茉莉亜に、ノブアキの着ていたシャツは、左右に破かれていた。
「すごいことになってるね…」
「いい身体ってのはわかるけど、このままにしておくとさすがにまずいわね…」
3人は物陰からゆっくり姿を見せ、ジリジリ背後に近寄ろうとする。
「お取込み中申し訳ないけど、何かあったのかしら?」
アリシアが凛とした声で尋ねる。