風紀委員Girls! 247
役者としての高い能力が、亮の普段見せない顔を引き出すとでも言うのか。
もしそうだとしても、多岐亮が事件に関わっているなんて、舞は考えたくなかった。
「それでも…調べてみるしかないのか…」
舞は重い腰を上げて立ち上がる。
桜に同行をお願いしてフロンティアプロモーションに向かう。
「ごめん桜、そういう訳で多岐亮を調べたいんだよね…」
桜には、弟たちの世話があることが分かっているだけに舞は心苦しかった…
「気にしないで舞…私がいないとただのファンと間違えられて、フロンティアプロモーションの中には立ち入れないと思うもん…」
舞と桜は不安いっぱいの中、目的地へと向かうのだった。
…一方、今回の騒動に深く関わっていると思われる樹・愛・茉莉亜の3人を調べるべく、アリシアは結花と和葉を連れ、3人を尾行する。
「…あの3人が、本当なのかなぁ」
「お兄さんやお姉さんの事件があるから…可能性はゼロじゃないよ」
その中の1人、樹は舞と同じくらいの小柄な少女。
あの身体で、直矢のような大柄な男子を倒したというのに、アリシアは疑問と驚きをもっていた。
武術に長けた舞ならばそれも容易いことではあろう‥
それならば、あの木戸樹もそんな力を持っているのだろうか?
ましては春日愛や渕上茉莉亜を含めこの3人は、直矢を始めとする数人の男たちを逆レイプし、中には男性機能を生涯停止させられてしまった者までいると聞いた‥
この少女たちが本当にそんなことを?‥
アリシアは眉を顰めて、3人を見つめる。
少し距離を置いて、3人を追跡する。
後ろから見ているだけなら、仲の良い友人3人組に見えるが、実際にはどうなのだろう?
アリシアは未だにどこか引っかかるものが存在していた。
そこから数十分後…
樹たちの足取りが止まる。
「…?」