風紀委員Girls! 245
舞は窓際の壁にもたれながら考え込む。
「3人は、黒獅子に恨みを持っていて、今回の行為に及んだということかな…」
「そうだろうね」
可憐が頷く。
「信吾くんも気をつけなよ、次に狙われるのはもしかしたら」
「そ、そんな怖いこと言わないでくださいよ…」
「まあ、その前に3人から話を聞かないとね…」
美菜子が言う。
「(…旬)」
舞は心の中で、不安を感じていた。
何やかんやあったにしろ黒獅子のトップは今でも旬なんだから、狙われても可笑しくは無い…
まあ彼女たちのお兄さんたちに、旬が酷いことをしたとは考えられないし…
ましてはつい先日、自分と旬は碧の家の庭で初体験を迎えたのだから、渕上茉莉亜のお姉さんのレイプ事件に旬が関わっていた訳は無いよね…
話をだいたい聞けたところで、舞たちは病室を後にする。
「信吾くん、ありがとうね」
「いえ、みなさんの役に立てれば」
「またお見舞いに来るからね、直」
可憐がそう言って、ドアを閉めた。
「どう?重要な手がかりはつかめた?」
廊下に1人佇んでいた麻耶が、舞たちに声をかけた。
「はい…黒獅子の生徒が起こしたレイプ事件…麻耶さんは知ってます?」
舞は小声で尋ねた…
「レイプ事件?…ああ確か青海大の女生徒が襲われた、あの事件ね…」
「それって犯人は?…」
「証拠不十分で逮捕には至らなかった筈よ…、確かそこにいる水上直矢や、黒獅子トップの滝谷旬も現場にいた筈だったけど…」
え…?旬が…………
「まあ、その当時は滝谷も水上も下っ端クラスだったようだから…実行犯の特定は難しくてね」
「そうですか…」
麻耶はため息をつく。
「で、今回の件は、どうなのかな」
「ええ、それが…」
舞が説明する。