風紀委員Girls! 239
「…ってことは、まさか桜咲の奴らが」
「可能性はそっちの方が高そうね…水上直矢たちのケガの程度は?」
「全員意識はしっかりしてる…話を聞いてみる?」
「もちろん」
舞、可憐に美菜子と唯が加わり、直矢たちが入院している病院に向かった。
長い廊下の先に見覚えのある婦人警官の姿…
「あっ!麻耶さん!」
「あらぁアンタたちお見舞い?…」
けだるそうな口調はいつも通りだ…
「はい…まあそんなところです。麻耶さんこそ事情聴取か何かで?…」
「うんそうなんだけど、黒獅子の男の子たちすっかり女を怖がっちゃって…私は病室から出されたって訳よ…」
「え、女をですかぁ?…」
「うん女性恐怖症って言うの?…精神的なもんらしいけど、医師の話しだとよっぽど女に酷いことをされたんじゃないかって…」
「やっぱり相手は女なんですね」
「本人たちが言わないけど、その可能性はほぼ100%ね。なんとか話を聞き出したいんだけどね〜」
麻耶さんは困ったような顔をする。
「じゃあ、私たちが力になりますよ!」
美菜子が自信ありげに腕を上げた。
「…ああ、任せてみようかねぇ」
麻耶さんに先導され、水上直矢の病室へ向かう…
「この子が一番の重傷なんだよね…私のこと見て尾漏らししちゃったんだから…」
「お、尾漏らし…?!」
それを聞いて流石の美菜子もビビる…
高校生にもなった男子が、女の姿を見ただけでチビるなんて、よっぽどのことだとこの時になって分かったのだ…
『水上直矢』
直矢だけ病室は個室だった。
それだけの症状ということなのか。
その直矢の病室のドアを美菜子が開ける。
「おおーい、水上ぃー」
「…お、おう、お前は…」
「清美の戸松だよー、覚えているかい?」
「あ、ああ…」
美菜子に対しても怯えた表情の直矢。
美菜子が以前会ったときとは、明らかに違った。