風紀委員Girls! 218
「うんちょっと、青山静香さんに聞きたいことがあって…」
「静香ちゃんに?…まあ入って、話しはゆっくりと聞かせて…」
白を基調とした部屋は、案外広かった。
実家では私との相部屋だったことを考えると、恵里姉が寮に入ったのも分かる気もした…
部屋の真ん中のテーブルの前に、ちょこんと座る。
「こうして姉妹2人で過ごすのも久しぶりね」
「うん…」
恵里奈は手際よく散らかったものを整理し、真里奈にお茶を出す。
「静香さんとは、交流があるの?」
「まあ、私の後任の会長だしね。素直で可愛いし。仕事も頑張ってると思うよ」
「うん私も、青山家のお嬢様だからどんな人かと思っていたんだけど、いい子なんでびっくりしちゃったぁ。」
ミント香る紅茶を鼻いっぱいに嗅ぎながら、真里奈は言った。
「そうよね。お兄さんといい、あの兄妹は性格も容姿も滅茶苦茶いいはよね。」
「あ、お兄さんって…ノブアキさんのことだよね?…」
ティーカップを持つ恵里奈の手が止まる。
「あれ、真里ちゃん?…ノブアキさんのこと気になるの…?」
「いや…私が、というか、静香さんもというかね…」
本当のことを言って良いのか、どう説明すればいいのか困る真里奈。
「その、恵里姉はさ、ノブアキさんや静香さんの家について、何か知ってることあるかな…って」
「家、ねぇ」
恵里奈が腕組みして考える。
考え込むところを見ると、深くは知らないのだろう…
「あ、いいよ…静香さんに少しは聞けたからさ…」
「ごめん役に立てなくて…何しろ女子高での噂話しは後が立たないから、いちいち耳を貸してはいられないのよ…」
確かに清美の中でも、毎日のように誠しやかな噂が飛び回っていた。
「うん分かるよ…女の子って人の噂、好きだから…」
「そうだ。青山家のことだったら清美の清水碧さんに聞いてみたら?…」