風紀委員Girls! 214
「えっそんな…お忙しいのに悪いです…」
「さっきも言いましたでしょ?…桜咲寮の隣は男子ばかりの青海寮があるんですのよ…」
「黒獅子じゃあるまいし、青海の生徒に限ってそんなことは…」
「いくら青海の男子が品行方正を装っていても所詮は男子…青海も黒獅子もあったもんじゃ無いは…」
静香の脳裏には、舞に迫ったというノブアキの姿が浮かんでいた…
「そ、そうですかね…」
真里奈の中には青海の男子に、そういう印象はまったくなかった。
「真里奈さんの身に何かがあってはいけませんわ…私と、あと一人、心強いボディーガードをご用意します」
「ボディーガード?」
「菫…お願いしますね」
静香がそう言うと、どこからともなく、長身の女子生徒が現れる。
「上沢菫…私のクラスメイトです」
「上沢菫さん…?」
真理奈は菫の姿を見て眼を見開き、一瞬時が止まってしまう…
「えっ?…真理奈?…真理奈なの?…」
上沢菫も真理奈同様に、驚きを隠せずにいた。
「えっ?もしかしてお二人は…お知り合いな訳?…」
そのことに静香までもが、驚いた表情を浮かべた…
長身で凛とした佇まいの美少女。
菫は静香の友人であり、男顔負けの腕っ節の持ち主で、いつしか静香のボディーガード役になっていた。
「そうですか…菫さん、桜咲に…」
「真里奈こそ…清美に行ったのか…」
真理奈と菫は、同じ中学の出身だった…
その時分から長身でスレンダーな身体を持った菫は、女子たちの憧れの的といってもよかった…
そんな菫に対して、真理奈自身も密かに淡い恋心を抱いていた一人なのだ…
「お会いできて嬉しいです…」
真理奈は顔を染め、目を輝かせた…