風紀委員Girls! 211
真里奈は心の中で何かを悟る。
「静香さん…」
「はい…」
「静香さん、ノブアキさんのこと、お好きではないですよね?」
「!?」
不意を突かれたのか、驚きの表情を浮かべる静香。
「わかります…静香さんの言葉で、今のが本心ではないこと…正直に話してください」
「あ、それじゃ私…見回りに行ってきますね…」
気を効かせたのか…それともこの場にいたたまれなくなったのか…椎奈が部屋から出て行き、真理奈は静香と2人になる…
「やだぁは、見回りなんて椎奈ちゃんがしなくていいのに…」
「気を使ったんだと思いますよ…自分がいたら、静香さんが本心を語れないと思って…」
真里奈のその言葉を聞いて、静香の表情がまた強張る。
「柄でもない、嘘をつくもんじゃないですよね…」
静香はそう言って、深くため息を吐いた。
「昔から、嘘をつくのは下手でした…」
静香は意を決して語りだす。
「正直、今でも慣れませんし、認めたくもありません。でも、回りにいい格好をしたい…というか、しなくてはいけないというか…兄を慕う妹を演じてきた結果がこのザマです」
「そうでしたか…」
「捻くれた性格ですいません…もう直せないんです」
「そんなこと無いです…私も一緒ですから…」
恵里姉の顔が浮かんだ…
静香と比べたらぜんぜんだけど、優秀過ぎる兄妹を持つ立場だけみたら、真里奈も同感出来る。
「そうなの?…真里奈さんもいろいろ…大変なのね…」
静香の眼差しは優しかった。
出会う前は、ただのセレブ気取りのお嬢様だろうと想像した自分が、恥ずかしくもなる。
真里奈は少し話題を変えようとする。
「赤羽根や中山といった面々がノブアキさんの身辺を調べ、それを契機に反乱しようとしている…静香さんにはあまり良いことではないでしょう」
「私もよくわかってないんですが…ちょっと怖い印象があって…」