風紀委員Girls! 201
「ん…まあ、将来は安泰だと思うぜ」
「それなら良かったですわ」
伊織がフゥとため息ついて、コーヒーを飲む。
「先ほどの話、持ち帰って相談させてもらうわね」
「ああ、頼んだ。龍次さんが良いなら、俺らは黒獅子と手を組もうと思ってる」
「そんなことして、黒獅子の滝谷旬は大丈夫ですの?」
伊織はカップを置きながら首を傾ける。
「ああ、黒獅子のナンバー2の水上直矢を通じて、龍次さんと滝谷旬は付合いあるんだ。」
伊織が置いたカップに手を伸ばし、剛はそれを飲み干した。
「でも最近、滝谷旬とノブアキ、親密に会っていますのよ。」
伊織は再び剛に手を重ねた。
「そこはなんとか説明すれば…龍次さんも直接滝谷に会って話をするつもりがあるようだし」
「それなら良いけど…」
剛はコーラの入ったグラスを片手に話を続ける。
「滝谷と言えば、清美の生徒会長と親密だって話じゃないか」
「ええ、それでもなかなか煮え切らない2人って、評判だはよ。」
指先で剛の手の甲に円を描く伊織…
「確か天野舞だっけか?小ちゃい身体の割りに、なかなかのやり手なんだろ?」
グラスの氷を頬ばりながら、奥歯でバリバリと音を立てる。
「皆からの信望も厚いし、教師から信頼されているはね。」
手の甲から滑り上げる伊織の指は、剛の唇で止まった。
「…まあ、そうなんだろうな」
剛はグラスを置き、考え込む。
…思えば、剛も舞に痛い目にあった経験がある。
あんなことせずに、最初から伊織を頼っておけばよかったといまさらながらに思ったのだ。
「何より、一緒にいて楽しいと思えるのが一番よ」
伊織はにこやかに言う。