風紀委員Girls! 196
「俺らは昔っからのダチだぜ…彩花と可憐とも時々こうやって、コミュニケーション取ってんだ…」
「コ、コミュニケーション?…それなら何で舞を巻き込んだのよ!?…」
さっきまでの緊張が嘘のように美菜子は龍次に食ってかかる…
「それはさっきも言ったように旬の童貞を、一日も早く卒業させてやりたくてだな…」
「アンタら旬、旬って…舞の気持ちは考えないのかよ?!…」
「それゃあ彩花と可憐に聞いてくれよ…こいつらの言うことでは、舞って子もこのぐらいの荒療治をしてやんね―と、なかなか行動には移せね―だろうと考えてのことだったみて―だけどな…」
「それは…」
龍次の言葉は、美菜子に痛いくらいに突き刺さる。
舞とて旬と同じく、こういうことに関しては奥手なのは美菜子が一番わかっているつもりだった。
「だからって、だからって、こんな乱暴な真似することないじゃない…」
美菜子は膝から崩れ落ち、涙をこぼす。
「ごめん、美菜子…」
可憐が起き上がり、美菜子の背後から腕を回す。
「相談してくれ…ればよかった…のに…」
シャクリ上げながら美菜子は涙と共に声を絞り出す。
「ごめん、ホントごめん…舞のロストバージンで、皆を驚かせたかったんだよ…」
側に来た彩花が美菜子に抱きつき、可憐と一緒に涙を落とした。
「おいおい、なんだかこっちまで貰い泣きしちゃいそうだぜ…」
「馬鹿な俺らの計画は、友情を再認識させたって訳かぁ?」
顔を高揚させながら、龍次と直矢が肩を組んだ。
「それにしても、何事もなくて良かったよ…朝から姿見なくて、心配したんだから…」
目を覚ました桜が言う。
「そうだぞ〜、こっちは彩花と可憐が捕まったとか裏切ったとかって話になってさ…」
美菜子も愚痴る。
「それは心外だなぁ」
「俺たちは悪い奴だったのか…」
頬を膨らます可憐、龍次は苦笑いする。
「それより舞と旬は今どこに?…」
桜が龍次に向かい首を傾げる。
「2階でよろしくヤってる筈だぜ〜」
ニヤつきながら龍次が答える。
「それがさ美咲からの情報だと、この家から逃げ出したって話しなんだよね…」
「な、何ぃ!」
素っ裸のまま龍次と直矢は、2階に向け駆け出した…