風紀委員Girls! 186
「待ってよ!…私、彩花と可憐を信じたいよ…」
桜が皆の顔を見ながら言う。
「うぅん…確かに黒獅子と青海の手を結ばせるっていう、本来の目的としては、彩花と可憐が今やっていることは間違っちゃいないのよ。」
美咲がPC画面に4人の画像を並べる。
滝谷旬と青山ノブアキ、それに水上直矢と赤羽根龍次だ。
「目的だか何だか知らないけど、美咲は彩花と可憐を信じろっていうのかよ?」
美菜子は納得がいかないといった面持ちで、美咲に喰ってかかる。
「できれば信じたいよ…でも、今は、その可能性は…」
美咲がそこまで言って黙り込む。
「それが良かろうが悪かろうが、舞を犠牲にして巻き込む魂胆が許せねぇんだよ!!」
美菜子はそう吐き捨て、机を思い切り叩く。
辺りはシ―ン静まり返る…
その中でも桜だけは凛とした姿を崩すことは無かった。
2つの意見は真っ向から対立した。
言わば舞だけの事を考える美菜子と、彩花と可憐を信じたいと願う桜とである。
そこに…
「申し訳ないであります。車の渋滞に嵌まってしまい、せっかくの召集に遅刻してしまいましたです…」
碧の登場である…
「碧…」
美菜子が弱々しい声で言う。
「…話は伺っております。今回のことに関しては、私に責任があるんです…舞ちゃんをあのとき、引き止めておけば良かったのです…」
声を震わせ、謝罪する碧。
「碧のせいじゃないよ…舞を襲って連れ去った奴が悪いんだよ…」
美菜子が言う。
拳をつくり肩震わせる美菜子…
その背後に桜が立った。
「ごめん…美菜子、私…向きになり過ぎた…」
桜は涙落ちる美菜子の拳に手を添える。
「それは私も一緒だよ…舞のことで頭が一杯になっちゃって、こんなんじゃ…風紀委員…失格だね…」
「み…美菜子ぉぉぉぉぉ!!」
自然と溢れ出す涙も拭わず、桜は美菜子の身体に抱きついた…