風紀委員Girls! 171
「お前、からかってんじゃ…ないよな?」
眼を大きく見開いた旬が、舞の顔を覗き込む…
「ばか…こんな時にそんなこと言うかな?…」
舞は頬を膨らませる。
「ご、ごめん;…俺、ノブアキみたいに女の扱い慣れてねーから…;」
「ばか…今ノブアキの話しはしないで…」
「あっ;…ごめん…」
もう当分ノブアキのことは考えたくなかった。
彼の好感度は地に落ちたも同然だった。
「…もう、帰ろ」
「お、おう……って、友達はいいのか?」
「彩未は、多分、帰れないんじゃないかな?」
…ま、たとえ帰れないにしても静香がなんとかしてくれそうだけど。
門までの道を、手を繋いで歩いた…
汗ばんだ旬の大きな手を握っていると、なんだか安心できた…
「さっきはゴメンな…」
ボソッと呟き、旬は小石を蹴った…
「もういいよ…私も向きになり過ぎた…」
舞も真似て小石を蹴る…
「そうじゃなくて…せっかく告ってくれたのによ…」
えっ?…
「やだぁ、あんなの旬をからかったに決まってるでしょ…」
「へ?…あ、そうだよな、やっぱりそうだったんだよな、あはははは」
旬は戸惑った後、豪快に笑い飛ばした。
「そうだよなー、俺に告白する女なんてなー」
これが旬のあるべき姿なんだろうな…
さっきの、完全にからかってたわけじゃないんだけどな…
舞は少し寂しい思いもあった。
あの時…やっと素直になれたのに…
こういうことに慣れていないのは、自分だって同じだった…
不器用な旬と何ら変わらないのだ…
「でもよ…嬉しかったさ…、俺…女の子にあんなことされたの…初めてだからさ…」