風紀委員Girls! 162
ボケッとしたように装っていると、旬は私だけでなく彩未や碧、静香ちゃんの顔もキョロキョロと覗く。
顔を少し赤くさせて俯く彩未。
キョトンとして小首を傾げる静香ちゃん。
動じず余裕の笑みの碧。
その表情は三者三様だ。
旬の口がパクパク何か言ってるように見える。
…こりゃ驚いてるわぁ
多分、彩未や静香ちゃん…それに碧も、裸同然の褌しか着けてはいない旬やノブアキを前に、同じようなむず痒さを感じ…ドレスの裾を託し上げたのかもしれない;…?
旬のこの動揺を見ると、そうとしか思えなかった…
「(もしかして彩未…感じちゃったの?…」
「(そういう舞はどうなのよ?…)」
「(…そう、かもしれない)」
自分でも赤面してるのが明らかだ。
「(私も…)」
彩未が俯いた。
そう思うと、せっかくの美味しい食事も落ち着いて楽しめない。
順調に運ばれた食事は、最後のデザートを迎える。
旬に紅茶を注ぐメイドさんが、小さく…“きゃ”っと言ったのを舞は聞き逃さなかった。
どうしたんだろ?…
直ぐに平静を取り戻すメイドさんに気づくものはいなかったけど、赤い顔で俯く旬は、明らかに様子がヘンだ…
それに気づいたのか、旬の横に座るノブアキが何気に視線を向け、”ぇ?”と小さく言った。
どうしたのよ?…
ノブアキが落とした視線の先は、テーブルに隠れて正面に座る舞からは見えなかった…
そこに視線を向けたノブアキも、なにやら驚いている様子。
…だからなんなのよ!気になるじゃない!
…それでもデザートは美味しくいただくのが女子の性。
こんなに美味しいケーキは生まれて初めてでした。
「食事も終わったし、着替えようか?」
「そうだね」
彩未も頷いた。