風紀委員Girls! 152
その地下室へ。
「ここは滅多に来ませんので」
由紀さんが言う。
暗く冷たい雰囲気、どことなく刑務所のようだ。
「ここにいるんだね…」
隣の彩未も緊張しているようだ。
「姐さん、珍しいっすね…どうしました?」
SPの一人が声をかけてきた。
姐さんっていうのは由紀さんのことか…それにしてもガタイのいい黒人なのに日本語ペラペラなのは違和感あるなぁ。
「それよりアンタら…大変なことしてくれたそうじゃない…」
由紀さんの低い声にエコーが掛かり、貫禄持って辺りに響き渡った…
うわぁ…由紀さんには似合い過ぎなんですけど…
「大変なことって…どういうことっすか?…」
壁際の男が怪訝な顔をしながら、白い小布をクルクルと回す…
あっ!あれって…
あの小布は、旬がおばあさんに貰ったパンツに間違いなかった…
あーあ、あれが今ここにあるってことは旬ったらもう全裸にひん剥かれちゃったのね…
ガックリ項垂れる舞。
それを見てキョトンと首を傾げる彩未、静香、碧。
「あんたらがひっ捕らえた男の子は、碧お嬢様がお呼びになった大事なお客様なのよ!」
由紀さんが言い放つ。
…この声だけ聞くと、男だと思ってしまいますね
「ええええ!?マジっすかぁあ?」
柄でもない素っ頓狂な声で男が叫んだ。
「も、申し訳ありません!…」
碧に向かい頭を垂れる黒服の男たち…
これってまるで…極道モンの映画みたいでワクワクしちゃいますよ;…
「ちゃんと伝わっていなかったんですもの、SPさんたちに罪は無いですよ〜」
「お嬢様、それでよろしいんですか?…」
「後のことは由紀ちゃんに任せますから〜、それより滝谷くんはどこにいるんです?…」
「彼なら奥の部屋に…」
SPの男が白状する。
「一番奥の部屋ですね。一本道なので、みなさんでも迷わず行けると思います」
由紀さんが言う。
「皆さん行きますよ!」
碧がそう言って駆け出す。
4人、一目散に旬のところへ向かう。