風紀委員Girls! 148
今時ドラマくらいでしか見ない土下座。
それだけ、彩未は自分が静香にしでかした事の大きさを感じていた。
舞も、驚きはそこまでではない。
「彩未…私、怒ってないから、そんなことしないで、顔上げて…」
静香の声が震えていた…
ゆっくりと彩未の元に歩み寄り、肩を抱く静香…
「私だって彩未の立場だったら…同じことしていたと思うよ…」
「で、でも私は…静香にあんなに恥ずかしい思いさせてしまった…」
彩未の涙がポタポタと大理石の床に落ちる…
「私はあれぐらい大丈夫だよ。寧ろ恥ずかしかったのは…黒獅子の滝谷くんだと思うよ…」
「滝谷くんが…?」
「そう、あのとき、私を助ける代わりに服を脱がされたりね…」
「(そんなこともあったわねぇ)」
静香と彩未の会話を聞きながら、舞は思い出す。
何はともあれ、静香は彩未を許してくれたのだ。
このことにはホッと胸をなでおろす舞。
大事なのはこの後である。
「静香ちゃん…彩未が桜咲からいなくなったら…困る?」
舞は思い切って聞いてみる…
「転校ってことだよね…それゃあ私にとっての友達は彩未だけだから寂しいけど…彩未がそうしたいなら私は何も言えないよ…」
静香の答えは舞の予想通りだった。
寂しそうな顔、それでも仕方ないと言い切る姿は、やはり桜咲のトップ。
しかし、舞はそれで済ませるつもりは毛頭ない。
ここからが本題だ。
「じゃあ…静香ちゃんが清美の一員になる、という想像はできる?」
「そ、そんな…なんで私が…!?」
いきなりの舞の予想外の言葉に戸惑う静香。
周りをキョロキョロするうち、静香は笑顔で佇む碧の姿に気づく。