風紀委員Girls! 146
「…ん、うう」
ここでようやくお嬢様がお目覚めの様子。
「到着しましたよ、お嬢様」
「あ、由紀ちゃん、ただいま〜」
と言って執事の由紀さんに抱きつく碧。
「あ、あの、お嬢様、ちょっと…」
さすがの由紀さんもこれには赤面。
「(やっぱり女の人だ)」
「(そうだね)」
「ゴメン〜眠っちゃったよ〜」
「お嬢様、昨晩遅くまで起きておいででしたから、お疲れなのでしょう…」
「ううん〜だって由紀ちゃんが寝かせてくれないかぁら〜」
「(ギョギョ!もしかして碧さんと由紀さんって…そういうご関係なの?…)」
「(そ、そんなこと聞かれたって、分かる分けないよ…;)」
…この2人がそういう関係だとしても、おかしくはない。
むしろ、お似合いに見えてしまう。
碧に抱きつかれた由紀さんが困り顔でこちらを見ている。
「お、お嬢様…お友達に誤解を与えてしまいますよ…」
「あ、舞ちゃん、彩未ちゃん、執事の由紀ちゃんです〜、とっても可愛いんですよ〜」
…このマイペースぶりは見習うべきか、それとも反面教師とすべきか…
「(可愛いって言うより、カッコイイだよね…)」
「(う、うん…イケメンにしか見えないもんね…)」
由紀さんにどこか、滝谷旬や青山ノブアキに通じる、男ならではの凛々しさすら感じてしまう…
だけど…あの二人が持て余している硬棒は、由紀さんには無いんだよな…
そのことが、なんだか残念にも思ってしまう…
「ま、まあ、時間もないので、ご案内しますね」
そこはさすが執事。
車を降りて、由紀さんの後に続く。
…背中だけ見ると、ホント男にしか見えないぞ、由紀さん。
「楽しみですね、お食事」
「あー、うん」
一度来たことがあるので少しは慣れてると思う。
ただ、隣の彩未はしきりにキョロキョロ見回している。