風紀委員Girls! 142
「この豊崎彩未と、青山静香に関することで」
「はい」
舞が話を切り出すと、碧はさっきまでのほんわかした表情から一変、真面目な顔をする。
「最近、静香ちゃんの様子がおかしくて、何か悩んでいるような気がしていたんです」
ほんわかしているように見えて、実はこのお嬢様、なかなか鋭い。
親友である静香の変化にも気づいていたようだ。
「流石に碧だはね…貴女の協力なしでは乗り切れない事態なのよ…」
舞は縋るような気持ちで、碧にことの一切を話した。
「先ずは彩未ちゃんと静香ちゃんが話す機会を作ればいいのですねぇ。
丁度よかったです。先日のお礼にと、今晩静香ちゃんとノブアキさんが家で食事をしに来ることになっているんでぇあります。」
「それは良いタイミングだったね。そこで話をつけておけば」
「ええ、ですから彩未ちゃんもその場に」
「うーん、またお誘い?」
「彩未ちゃんのことだから、舞、美菜子、桃子も一緒に行ってあげてよ」
「…そうきたか」
美咲の言葉に、舞、美菜子、桃子の3人はお互い見合わせて考え込む。
「ごめん。ノブアキには会いたいところなんだけど、今晩親が帰ってくんだよね;…」
美菜子が舞に向かって手を合わせた。
「私ぃも…今日は家庭教師が来る日なんで…」
桃子がすまなそうに目を潤ませた。
「分かった分かった!ここは生徒会長である天野舞に任せてちょうだい!」
舞は皆に向かい高らかに言った。
「おおう、さすが!」
「よっ、会長、頼んましたぜ!」
お調子者、夏織と明日香が囃し立てる。
「じゃあ、家の者に迎えを頼んでおきますね」
碧がスマホを弄り出す。
「…あとはこの子の家だけど…」
未だに気絶している彩未を美菜子が抱きかかえる。