風紀委員Girls! 14
「ご苦労様でぇす!」
風に乗り向かってくるパンツを、夏織がジャンプしてキャッチする。
「おぉお〜滝谷旬のパンツ〜」
「取れたてホカホカの逸品よぉ〜」
「ホカホカ…ってどういう意味っすか…」
「こういうことだよ、アリシア!」
唯がパンツを濡らす先走り汁をアリシアに示す。
「そんなの…何の意味があるんです?」
相変わらずに、冷めた口調でバサリと切り捨てるアリシア…
「アリシアには分からないかもしれないけどぉ〜ファンからしてみたらぁ、プレミアモンなぁのよぉ〜」
夏織はそのホカホカ部分に鼻を宛てがう…
「まあどっちにしろ、黒獅子トップのプレミアパンツをゲットしたんだもの、これで明日香と涼には勝ったようなもんだぁはぁ♪」
唯は感謝とばかりに由真に抱きついた。
「ふふふ、お役に立てればありがたいわ〜」
「由真センセ、大好き!」
「愛してる〜!!」
「うふふ、もっと崇めなさいよ〜」
得意気な由真に、抱きつく唯と夏織。
「(…本人たちが満足ならいいけど、舞の言ってた目的とは違うような…ま、いっか)」
旬のことはすっかり忘れて帰路につく彼女たちであった。
…………その頃
明日香と涼はといえば、佐伯祐樹を体育倉庫に連れ込んでいた…
「あのぉぉ…話しって何なんでしょうか?」
本来ならば先輩たちよりも早くにグランドに行かねばならいところだが、突然現れた美少女2人を前に、頼まれるがままにここまで着いて来てしまったのだ。
「ごめんなさぁいぃ、私たち佐伯くんにしお願いできる人がぁいなくてぇ…」
明日香は黒目がちな潤んだ瞳で、祐樹を見上げる…
「誰にも聞かれたくなかったの…佐伯くんと"だけ"になりたっかのぉ…」
涼は祐樹のユニホームの尻ポケットを…"つん"と引っ張った…
「は、はぁ…」
青山ノブアキ同様、これまで野球一筋、女の子に縁のなかった祐樹は明日香と涼の勢いに押されている。
「佐伯くんに聞きたかったこと…それは青山ノブアキのこと」
「青山先輩、ですか?」
「そう…誰からも好かれる大人気の青山ノブアキ…彼は野球部のエースで、佐伯くんは後輩でありながらキャッチャーとしてボールを受けてるわけでしょ?」