風紀委員Girls! 130
「ありがと」
由真も照れ気味に微笑んだ。
「コーヒーと紅茶、どっちが好き?」
「えっ、いいんですか?」
「まあ、いろいろお話したいじゃん。それと…大半は私の眠気覚まし」
クスッと笑う由真に、彩未もつられて笑った。
「やっと笑ってくれたぁ。彩未ちゃんは笑った顔の方がずっと可愛いね。」
見覚えのあるキャラクターのついたマグカップを手にしながら、由真は微笑んだ。
「それじゃ…コーヒーの方が眠気は覚めますね…」
"可愛い"と言われたことに照れながら、彩未は頬を上げた。
「もう、今日何杯飲んだか分からないけどね」
由真は彩未を見ながらテヘヘと笑う。
「砂糖とミルクは?」
「お願いします」
「お子様ねえ」
「ブラックは苦いですよ〜」
「大人の味さっ」
お湯を沸かしながら、由真が彩未の方を振り向いた。
「…今日は、何かあったの?」
「登校するときに、捕まっちゃって…」
彩未は渋々と口を開く。
「それで、清美に連れて来られのね?…」
由真は湯気上がるマグカップを彩未の前に差し出す。
「はい…初めはとても怖かった…」
彩未は自分の腕を上下に摩った。
「大変だったのね」
自分のコーヒーを一口飲んで、由真は微笑む。
「…でも、私、連れてこられて、磔にされてもおかしくないことを、してしまったんですから…しょうがないです」
彩未が視線をマグカップに落とす。
「しょうがない?」
「はい…大切な友達を、傷つけてしまったんですから…」