風紀委員Girls! 126
「私が…悪かったんです…些細なことで、静香ちゃんと喧嘩して…それで…」
俯きながら言葉を紡ぎ出す彩未、その声は次第に震えていく。
「いいよ…それ以上、言わなくても十分わかるよ…」
利奈は彩未の身体をそっと抱き寄せた。
嗚咽を漏らす彩未。
「大変だったね…辛かったんだね…」
利奈のほうまでもらい泣きしてしまっていた…
彩未はまるで高校時代の自分を見るようだった…
友達に虐められる辛さに堪えられなくて、本当の友達すら裏切ってしまった弱かった自分…
その苦い思いは、10年以上経った今でも利奈の中で消えてはいなかった。
彩未にはそんな思いを引きずらせたくはないと、心底思った…
「先生…?」
「だ、大丈夫、だから…ね…」
彩未以上に利奈の顔が、涙でグシャグシャになっていた。
「先生も辛いことがあったんですね…」
「昔は、ね。それこそ彩未ちゃんみたいに…」
「仲直りできる?」
「出来るのかな…私がやったことが…もしかしたら、退学処分になっちゃうかも…」
「それを心底反省しているのなら、例え退学になったとしても青山静香さんは分かってくれるんじゃない?…」
「はい…勿論反省してます…静香や黒獅子の滝谷くんには、あんな恥ずかしい思いをさせてしまって…」
「ん?…黒獅子の滝谷くんって?…」
「先生はご存知ありませんか?…黒獅子トップの滝谷旬くん…青海の青山ノブアキと共に、この辺りでは有名なんですよ…」
「黒獅子のトップ…か。うーん、話聞いたらわかるかな」
「そうなんです。なかなかカッコイイですよ」
「ふーん、懐かしい響きだねえ…」
「?」
「私の旦那も、黒獅子のトップだったのさ」
「へえー、そうなんですか…」
「ところで…彩未ちゃんさ」
「はい?」
「もし、桜咲を退学になったら、清美に編入しない?」
「えっ、私なんかが…」
「多分、美菜子あたりは本気で考えてると思う」