風紀委員Girls! 108
「お、おい、どうした…?」
旬が動揺する。
「何で私、こんな家に生まれちゃったんだろう…舞さんに出会って、清美のみんながすごくうらやましくなった…毎日が、辛くて、こんな顔…」
静香はちゃぶ台に突っ伏して、泣き崩れた。
「…辛いな」
「桜咲は、こんな虐めが横行してるのよ」
「青山家のお嬢さんだから、何の悩みも無く生活してんのかと思っていたぜ…」
「こういうことって、お金持ちとか貧乏とか関係ないのね…」
「このこと、兄貴の青山ノブアキは知らね―のかよ?…」
旬の口からノブアキの名前が出てきたことに舞はドキリとした。
当然、青海のトップと黒獅子のトップなのだから、その存在を知らない訳はないのだ…
「ノブアキ…知らないんじゃないかな。静香さんは他には一切弱いところなんか見せないから、誰も知ることは出来ないと思う」
「そうか」
旬は静香を見ながら、何かを考えるように呟いた。
「それにしても服びりびりにされて、これじゃあまりにも可哀想だな」
「うん…」
「舞、彼女送ってやれよ…お前の服着せてやってさ…」
「それより先に、旬も服着たらどうよ?…」
流石に見慣れてきたとはいえ、女子の前でずっとトランクス一枚でいるのは、どうなのよ?
「あ、私のことなら気にしないで下さい…もともと私は、滝谷くんの確認するためにここに来た訳ですから…」
「静香さんは、無理矢理に連れてこられたんじゃないの?」
「ええ…このアパートの前で捕まってしまって…」
「何の確認?」
「滝谷くんって、どんな人なのか、私も気になりまして…」
「俺は別に普通だぞ」
…自分で言うな。
「にしても、奴らはどうしてこんなところでおっぱじめたんだ」
「静香さんをいじめてる2人、この前の因縁の2人の彼女なんだってさ」