風紀委員Girls! 103
なんで静香がここに?…
それに桜咲のトップである静香が、何で取り囲まれてんのよ?…
「あの制服…桜咲だろ?セレブ育ちのお嬢さんたちが、こんな所に来るなんて珍しいな…」
「えっ?そうなの?…」
「それゃそうだよ、この辺りは昔からドヤ街って言ってな…舞みたいな物好きなお嬢ちゃん以外は、立ち寄りはしないさ〜」
「私が物好きって、どういうことよ」
「それは自分の心に聞いてみな…って、おい、ヤバくね?」
旬がそう言った視線の先…
壁際に追い詰められた静香が、制服の首根っこを掴まれている。
その表情は、酷く怯え、泣いて許しを請うようにも見える。
「どうした?知ってる奴なのか?」
旬が舞に尋ねた。
「うん友達。」
舞ははっきりとした口調でそう言い放つと、玄関に向かい駆け出した。
「おい待てよ!」
ドアノブを掴んだ手を旬に取られる…
「清美のお前が行くと面倒になんじゃねーか?」
うっ…それはそうかもしれなかった…
「舞は出て来んじゃね―ぞ…俺が助ける…」
「旬一人で大丈夫?」
「おう、相手は複数いるけど所詮は女。見た感じ舞より強くは見えねーしな」
「ちょっと、後からついていくね」
「それくらいなら…何するんだ?」
「こっちの事情」
舞はスマホを手にした。
この光景を撮影し、美咲に送って調べてもらうのだ。
「おうおうお嬢さん方よ、1人相手によって集って、何やってんだ?」
旬の低い声に振り返る制服の女たち…
「ふぅ、黒獅子の滝谷旬…やっとお出ましになったね。」
静香を取り囲む中心各の女が、旬を睨み付けながらニヤリと笑った。
え?…
その意外な反応に、旬はたじろいでしまう…
「気をつけて!!これは罠よぉ!」
静香の叫びが辺り一面に響き渡った。