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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 10

 沙羅ちゃんは勢いよく立ちあがった。

「うん、もちろん」

 僕と沙羅ちゃんが教室の前に向かって歩いて、教室の前の扉から出ようとしたら、ちょうど深沢先生が入ってきた。

「あ、酒本君、ちょっと話があるんだけど…あ、でかけるところだった?」
「いえ、それは、あとでいいです」

 沙羅ちゃんがそう答えて、席に戻っていった。

「先生、話ってなんですか?」

 深沢先生は、特に声を落とすことなく続けた。

「宿泊研修の話、聞いた?」
「はい、宿泊研修があるってことだけは聞いています」

 先生は、その時期と場所を説明した。
 高原の湖畔、というような場所のようだ。

「行く?」
「はい、もちろん」

「そうすると、酒本君一人の部屋に泊まってもらうことになるけど…」

「先生!たっくん…いや、酒本君は私たちの部屋に来ても大丈夫です…ねえ、律ちゃん」
 一番前の廊下側に座っているため、この会話のすぐ近くにいた胡桃ちゃんがすかさず言った。
「もちろん!」

「先生、それは不公平です。ルールに従って部屋…決め直しましょう」

 飛鳥ちゃんがすかさず割って入った。
 
深沢先生は少し驚きつつも、僕に対して
「そう…みんなはこう言ってるけど、酒本君はどうなの?」
「はい、大丈夫ですよ」
「そう、それなら問題ないわね」
先生は軽く微笑むと、周りの胡桃ちゃんや飛鳥ちゃんも笑顔になった。

「じゃあ、6時間目のHRで部屋割りの見直しをしましょう。それでいいかな?」
『はい!』
飛鳥ちゃん、胡桃ちゃん、律っちゃんら一部のクラスメートが元気よく返事した。
「じゃあ、また後でね」
そう決まったところで、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
5時間目も深沢先生の授業(現代文)だ。

 前の高校を5月に退いたので、勉強ではブランクがある。
 現代文はまだいい。今日から新たな小説に入ったところで、他のクラスメートと同じスタートラインだ。
 古典とか、世界史は、途中から入ることになったが、すでに他の人は習っている知識が必要な場合、隣の茉莉菜ちゃんに「これは、教科書のここに書いてある」って教えてもらって、なんとかなった。
 しかし、1時間目にあった数学だけは…茉莉菜ちゃんも苦手のようで、僕もまるで歯がたたなかった。
 何か対策を考えないと。

 比較的楽だった現代文の時間が終わり、6時間目との間の休み時間に沙羅ちゃんに改めて体育教官室まで案内してもらう。

「沙羅ちゃん、たっくんとどこ行くの?」と言った人はいた。
「体育教官室に案内するの」と沙羅ちゃんは普通に答えた。

「ねえ、沙羅ちゃん、宿泊研修の部屋割って、どうやって決まっていたの?」

 僕は、さっきの飛鳥ちゃんの「ルール通り決め直す」っていう言葉がちょっと引っかかっていた。
 沙羅ちゃんはゆっくり答えた。

「うん、部屋割は、昼間の班別行動の班そのままだから、班を決め直す、ってことになると思う。班は、班長がいて、その人が仲のいい人を取っていって、希望が重複するとかうまくいかない場合は班長同士で話し合う、っていう決め方なんだ」

なるほどね。
一番理に適った決め方だと思う。
「…でも、残り物になっちゃったりしたら」
「それはそのときだけど、うちのクラスじゃそういうのはないよ。みんな仲良しだから」
沙羅ちゃんは自信を持ってそう答えた。
「たっくんは、どの班からも引く手数多だろうね」
「そうかな」
胡桃ちゃんや律っちゃんの反応を見ると、沙羅ちゃんの言うとおりかもしれない。

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