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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 9

胡桃ちゃんが僕と「不純」なことをやろうとしている、とは決まったわけではないが、この高校の規則はどうなんだろう?一応。
 僕は生徒手帳を開いた。

 最初のページに「本手帳は、まだ男子を想定していません。女子の項目は参考程度に見てください 高校事務室」という紙片が挟まっていた。
 確かに、制服のページは、女子のことしか書いていなかった。
 スカートの丈は…なにも記述がない。
 確かに、ひざ丈くらいまでスカートがある飛鳥ちゃんから、もうその下が見えるんじゃないか、と思うくらいに短い胡桃ちゃんまで、スカート丈は様々だった。

「校則調べてるの?」

 後ろから、飛鳥ちゃんが声をかけた。
「校則の説明なら、任せて。何を探しているの?」
「えっと…前の学校では『不純異性交遊禁止』禁止、だったから…ここは?と思って…」

 飛鳥ちゃんは目を丸くした
「ええっ、彼女いるの?それとか、き、気になる人がいるとか…」

「い、いや、そういうわけでは無いんだけど、一応…」

 飛鳥ちゃんは、黙って、僕の生徒手帳を手にとって、ページをめくって、示した。

「基本的にこの条項『本校生徒は、常識的に法律・条例を遵守すること』が適用される…つまり、法律とか、条例とかに違反しなければ、大丈夫……それに…」

 飛鳥ちゃんはちょっと顔を赤らめているようだった。

「休暇のページを見て」

 飛鳥ちゃんはさらにページをめくった。

「産前産後休暇?!」

 そこには、忌引き休暇や伝染病休暇に並んで「産前産後休暇」まで載っていた。
 ここ、高校だよね。会社じゃないよね…

「もとは…どこかのお嬢様が、在学中に16歳で結婚したことで設けられた規則らしいけど…そうでなくても、年一回くらいは、適用例がある、らしい」

 飛鳥ちゃんはつばを飲み込んだようだった。

「今は、在校生では適用された人は2人いる、って聞いてる。1人は、卒業したら結婚するって。もう一人は、残念ながらその子の父親は逃げてしまったけど、シングルマザーで育てるんだ、って…言いたいことは、そういう…世間的に『不純』かもしれないことをなされた先輩方が、ちゃんとここでは高校生活を全うしていけるんだ…ってこと」

なるほど…
私立らしいというか、女子校らしいというか、生徒のことを第一に考えた手厚い規則があるんだな、と感じた。
そりゃあまずは本人が幸せにあるべきだもんね。

「好きな人が出来たら、ちゃんと言ってね。みんなでお祝いしたいから」
「う、うん…」
「たっくんはカッコいいから、うちのクラスの子はみんな気にしてるかもよ?」
「えっ、そうなの?」
「だって、私だってそうだから…」
飛鳥ちゃんが頬を赤くして、僕に言った。

「あ、これ、さっき言ってた、部活動紹介のパンフ。よかったら参考にしてね」
「あ、ありがとう」
飛鳥ちゃんはそう言って、自分の席に戻っていった。

 今、飛鳥ちゃん「だって、私だってそうだから…」って言った。
 「もっと、仲良く…なりたいの」って言った胡桃ちゃん。
 さらに思い返すと、香里ちゃん、って呼んで、頬を赤らめて大喜びした香里ちゃん。

 僕、本当に、クラスの女子に、気にされているのか…
 これは「モテ期」っていうものなのだろうか?!

 …これまでの人生に無かったこと…僕は、まだ、半信半疑だった。

 昼休みの終わりも近付いた。
 そうだ…体育教官室に行かないと。
 場所は、やっぱり沙羅ちゃんに聞くのがいいのかな。

「あの…沙羅ちゃん」

 2つ窓側の、1つ前の席に座っていた沙羅ちゃんに声をかけた。

「あっ、びっくりした」
「体育教官室に…案内してもらっていい?」

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