PiPi's World 投稿小説

君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 85
 87
の最後へ

君の人生、変えてあげる。 87

 僕はあごに手を当てて考えた。
 僕は、回想シーンで“前の学校では(中略)禁止されていないからといって不純同性交遊に走る人は、少なくとも僕の知っている範囲では、いなかった”と、思った。 
 それは、ほぼ冗談だったのだけど、男同士の恋愛、って、それか…?!

「不純…同性…交友…」

「そう!それ!」

 僕が下を向いてつぶやくように言った言葉を歩ちゃんが即捉えた。

 そうこうしているうちにチャイム(ショートホームルームへの予鈴)が鳴ったので、この話は中断した。

「本題に戻るけど、黒田先輩にアポイントはとった?」

 歩ちゃんが小声で聞いた。

「いや…やっぱり取った方がいいかな」
「私から連絡しておくよ」

 歩ちゃんがちょっと笑って、スマホを取り出し、たたき始めた。

すぐに黒田先輩からの返事が返ってきたようで
「お昼に教室で待ってるって」
「ありがとう」

「…先輩に会うのって、初めてだな…」
飛鳥ちゃんが不安そうに言う。
「まあ、僕は一応知ってる人だから、きっと大丈夫だよ」
そう言うと、飛鳥ちゃんも笑顔になった。

そして昼休み。
 僕と飛鳥ちゃんは昼食を手早く済ませて、2年生の教室があるフロアに向かった。
「緊張するね」
 飛鳥ちゃんは言う。
 僕も、正直言うと、緊張する。周りの先輩方の視線は、それなりに冷たいものもある。

 そして、2年1組に着いた。僕は、ノックした。
「あの、酒本拓真と申します」
「原田飛鳥と申します」
「黒田先輩はいらっしゃいますか?」

 扉は、ゆっくりと、開いた。

「ようこそ、2年1組へ」
 
扉が開いて、柔らかな笑みを浮かべた黒田先輩が現れた。

「お久しぶりです」
「そうだね」
軽く頭を下げて、隣の飛鳥ちゃんを紹介する。

「原田飛鳥です…1年1組の委員長です」
「よろしく。私は黒田勝代…話は歩ちゃんから聞いてるよ」

 黒田先輩は、自身の席まで僕たちを案内してくれた。
 必ずしも好意的でない雰囲気だ。

「立ち話もなんだから、座って」
「あの、僕たち、といいますか、男子がここの教室に入ってよかったのでしょうか?」

 黒田先輩はゆっくり言った。

「構わない。周りを見てごらん。別に、着替えている人がいるとかではないでしょ」

 確かにそうだが…
 多少不安に思いながらも、僕と飛鳥ちゃんはすすめられた椅子に座った。

「まず、困りごとは、上級生に共学化推進への支持が浸透していないこと、でいいのかな?」
「はい」

 そこまで歩ちゃんが伝えたのだろうか?黒田先輩の情報網なのだろうか?

「やはり、一つの方法としては、2年生からも立候補してもらうことが、いいと思う…佳奈ちゃん」

 呼ばれて、黒田先輩の後ろから、磯村先輩が近づいてきた。
 

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す