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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 75

人前で裸になることは、誰だって恥ずかしいだろうし、勇気のいることだと思う。
1組の女の子たちは積極的になっているけど、そうではない人がいる…いや、普通はその方が強いはず。

「多分、何か不安なんだろうけど…向こうも勘違いしているかもしれない。反対派じゃないから、話せばわかってもらえるはず」
飛鳥ちゃんが言う。

 そのとき、僕と飛鳥ちゃんのスマホが同時に振動した。
「みっちゃんからだ…」
 そのメールには、一言「盗撮に注意」と書かれていた。
「何…このタイミング」
 飛鳥ちゃんの顔がこわばった。
「盗撮…卑劣な」
 僕は、なるべく小さい声でだが、怒りを表した。

 飛鳥ちゃんはしばらく黙ってから、ゆっくり言った。
「みっちゃんは『どっちの味方もしない』っていう約束を、たぶん守ってくれている。だから、知った情報から、こういう警告を流してくれたんだ」
「さっきの、藤澤さんの話と、関係あるんだろうか?」
「みかちゃん自体は、違ったとしても、反対派としては、きっと味方に引き込みたいんだと思う…それで誰かが私たちの着換えを盗撮して不安を煽ろうと…」
 僕は、ここにいることが、すごく、申し訳なくなった。
「やっぱり…僕…トイレとか、ほかのところで着替えるよ」
「なんか、ごめん。たっくんにそんな思いさせて…でも、今は、ほかのところで、が仕方ないのかも。みかちゃんと話すことを考えてもまずはその方がいい。今日の三時間目の水泳に向けては、深沢先生に相談してみるよ」
 
朝のチャイムが近づくにつれ、クラスのメンバーも揃っていく。

「アス、たっくん、おはよ」
「おはよう」
茉莉菜ちゃんがやってきた。

「この『盗撮注意』ってどういうこと?」
「あ、それ私も回ってきた」
「何かあったわけ?」
「…物騒だね」
律ちゃん、歩ちゃん、麻由ちゃんが次々に言う。

 「それなんだけど…」
 飛鳥ちゃんが言っかけたところで深沢先生が来て、水曜朝のショートホームルームが始まった。
 先生からの連絡の後、飛鳥ちゃんが手を挙げた。
 「実は、みんなに、着替えのことで相談があるんだけど」
 飛鳥ちゃんは時計を見た。
 「じゃあ、2時間目の古典の時間を少し使う?」
 「はい、ありがとうございます」
 深沢先生が、自らの授業時間を少しくれた。

…なんだか物騒なことになった。
そもそも誰がどんな目的で僕らのクラスの動向を『盗撮』しようなんて考えたのか。
…反対派の目論見はいったい何なのか。

―それと、2組の藤沢さんの立候補には何か関係があるのか。
彼女の真意もわからないままだ。

1時間目が終わり、次はその相談の時間だ。

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