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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 73

「うん、いいと思う。みさちゃんには伝えてあるの?」
「まだ。この後これで伝えるか、明日の話し合いで言うか、どっちかだね」
飛鳥ちゃんはすっかり笑顔である。

「飛鳥ちゃん、ホントに、いろいろとありがとう。僕がここに来て、知り合ってまだそんなに経ってないのに、いろいろ教えてくれたり、僕のために周りと話をつけてくれたり…」
「たっくんは大事な、大切な仲間だから…たっくんが涼星で楽しく生活できるなら、私は何でも協力する。これから先も、ずっと」

僕と飛鳥ちゃんは両手を取り合った、が、誰か通ったのですぐに離した。

 飛鳥ちゃんの顔がちょっと赤くなったのは光のせいではないだろう。

 飛鳥ちゃんのスマホが振動した。
「綾ちゃんからだ」
“立候補の問い合わせ 1年2組の選管に 誰かは不明”
「2組…これはまた近いところに」

 飛鳥ちゃんがうなった。
 僕は昨日の昼休みの『委員長会談』に、2組の委員長の遥ちゃんがいなかったことを思い出した。
「そういえば、昨日の昼には遥ちゃんが来ていなかったね」
「うん、もう顔を合わせているから、とくには呼ばなかった」
「遥ちゃんが反対派っていうことは?」
「それはないと思う。結構連絡とってるし、きのうのことも話してるけど、特にそういう感じはない…遥に情報聞いてみるか」

 飛鳥ちゃんは、綾ちゃんにお礼を打った後、遥ちゃんにメッセージを打ち始めた。

遥ちゃんのメッセージはすぐに来た。

「うーん、遥も知らないみたい。明日聞いてみるって」
「そうかぁ」
…反対派なのか、それともまた別の存在なのか、気になってしまう。

2組の子達とは、美術の授業で一緒の子たちもいるので、徐々に打ち解けているとは思っていた。
ただ、もう一方、音楽選択の子達に、まだ知らないところはあるが…


 家に帰った。
 母さんに、僕一人だけはいられるけど共学化は凍結する、という案を聞いたことを伝えた。
「拓真は、そう聞いて、どう思った?」
 僕は、みっちゃんに言ったこととほぼ同じ内容を母さんに伝えた。
「うん、そうやって、まわりも幸せにしよう、って思えるようになったこと、うれしいよ。拓真が涼星に入って、本当に良かったと思ってる」

 夕食時、僕は、昨日可憐ちゃんが言ったことをふと思い出した。
「母さん、綾野華子さんって、覚えてる?ほかのクラスの委員長のお母さんで、母さんの同級生だったんだって」

「綾野…あっ、うん、覚えてる。クラスではあまり目立たなくておとなしい子だったけど、すごく可愛かったんだ」
「そうなんだ」
「確か、大手企業の社長の息子さんと結婚したんだよね…結婚式がすごく豪華だったの覚えてるよ。娘さんもすごく可愛いのかな?」
「あぁ、そうだね」
確かに可憐ちゃんってお嬢様っぽい感じがするけど、そんな背景があったのか。

「私たちの卒業アルバム見せてあげようか」
母さんが部屋隅の棚をゴソゴソと探り始めた。

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