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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 70

何についての謝罪なのか、言われなくてもわかった。

「別に、気にすることないよ。昨日はだめでも、ここで話す機会が出来たから」
「そうだね」
飛鳥ちゃんのフォローに、僕も頷く。

「私も前から会って話はしてみたいと思ってたんだ…でも、いろいろあってね」
「僕も、まあ、いろいろ聞いてるけど」

 明智さんは改めて僕の方を向いた。
「酒本君、初対面でこんなこと聞くのも、変かもだけど…女子ばかりの高校に来て、正直どう?居づらいこととかない?アスちゃんの前だと言いづらいかもだけど」
「えっ、そんなことは、全然ないよ」
「アスちゃんは?男子が来る、って聞いて、どうだった?」
「私は…新学期当日に聞いたのだけど、うれしく思った…私たち、初等科からの涼星生にとっては、初めての男子のクラスメート」
 そして、飛鳥ちゃんは、僕が来てクラスの雰囲気がよりよくなったんだ、という話をした(さすがに着替えの話はしなかったが)

「酒本君、もし、6組に来ていたら、そんなに居心地はよくなかったかも」
 

そんな明智さんの言葉に、先の「委員長会談」で渚ちゃんや可憐ちゃんが言ったことを思い出した。

「6組は反対派が多い」

「うん…噂でしか聞いてないけど」
「私は、そんな意識はないんだけどね」
「人間、いろんなタイプの人がいるから、気にはしてないよ」
それでも、1組の一員であることは、僕にとっては良いことだと思った。

 明智さんは、しばらく下を向いた後、ぱっと前を向いた。

「決めた。私、どっちの味方もしない」

 明智さんは、続けて、こう話した。
「私の苗字、日本人なら、だいたい、四百数十年前のあの事件を思い出すでしょ」
「そんな…」
 僕と飛鳥ちゃんは顔を見合わせた。
「私は、この苗字のおかげで、男子にいじめられた…『裏切るんだろ』って…本人は冗談なのかもしれないけど…私は、男子から、離れたかった。それで、涼星に来た……だから、男子が来た、と聞いて不安になって…それを聞いた人から、共学化反対で生徒会本部役員に立候補しないか、っていう声もかかって」
「誰が言ったの?」
「それがすべてかどうかわからない…でも、私に声をかけた人は、生徒会本部 副会長から、頼まれた、っていう話だった」

 僕も飛鳥ちゃんも、これについては、やはり、と思った。

「でも、酒本君に会って、なにより、アスちゃんの笑顔を見て…一概に男子を否定するのは、間違っている、って分かった…それでも、そうでない意見も、私がそうだったから、わかる」
「そうだよね」
「明智さん…って呼ばないほうが、いいのかな」
「充代でも、みっちゃんでも、何でもいいよ」
「じゃあ、みっちゃん」

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