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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 67


僕の質問に、佐智子先生は優しい笑みを見せた。
「酒本くんは、優しい子なんだね」
…そう言われると少し照れる。

「そうだね…男の子には、どうしたって私たちと同じことはできない。でも、別にそれをして欲しいと期待しているわけでもない。いつも、自分の側にいてくれて、暖かく見守ってくれていたら、それで良い。それが、一番嬉しいかな」

 そして、佐智子先生は、妊娠したら住民票がある市役所で母子手帳をもらうんだ、というようなえらく実務的な話や、自分はマタニティーマーク(現物を見せてくれた)をつけて、電車で席を譲ってもらったりもしたけど、今年になってから、残念ながらこのマークを付けている人に対する嫌がらせの報告も上がっていること、そういう風に最新の情報を得る必要はあるけど、妊娠する日が来て、不安になっても、あなたはきっと一人じゃない、パートナーをはじめ、周りは味方なんだ、ということを改めて繰り返した。
 そして、5時間目が終わった。
 菜々子先生は去り際に
「じゃあ、次の時間はプールで待ってます」
 のようなことを言った。

「なんか、赤ちゃんのこと、ちょっと考えちゃった」
 いつものように制服を脱ぎながら、胡桃ちゃんが近くに来て小声でそんなことを言った。
「えっ?!」
 胡桃ちゃんは、さらに耳元で、
「あ、『あれから実は生理が来なくて』とか、そういう意味じゃないからね」

…佐智子先生の話を聞いた後だから、ついそっちを想像しちゃったじゃないか…
胡桃ちゃんはにこりと笑って見せた。
…さすがに、今はそういうことは考えられない。

―何も隠さずに着替えるということは、もう日常のものになりつつある。
クラスの子のほとんどがタオルなどを使わずにそのままで着替えている。

「私、胸がAしかないことがコンプレックスだったけど、皐ちゃんの言葉で、思い切って脱ぐことにしたよ」
 鈴ちゃんが、この前の言葉通り、虐待の痕を隠さなくなった皐ちゃんにそんなようなことを言った。
「私も…実は胸が大きすぎるのが…コンプレックスだったんだ…」
 理恵ちゃんもその二人にそんな風に言った。
 確かに、理恵ちゃんがこの中では一番胸が大きいようだった。

「よく考えると、隠す意味なんてあまりない」
 綾ちゃんが白い体をあらわにしながら、独り言のように言う。

「海外いたとき、裸になる主義の人も身近にいた。その時は全然わからなかったけど、今はわかるような気がする」
 奈緒ちゃんが、その独り言に応えるかのようにそう言った。

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