PiPi's World 投稿小説

君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 63
 65
の最後へ

君の人生、変えてあげる。 65

見たことのない先生だった。
きっと、他の学年の担当の方なのだろう。

「三上佐智子先生…今まで産休・育休で休まれていたんだけど、この2学期から職場復帰されました。そんな佐智子先生から、いろいろなお話をしてもらおうと思います」

菜々子先生の隣で微笑む佐智子先生。
なんだか可愛らしくて、つい見惚れてしまう。

「一年生の皆さんには、はじめまして。三上佐智子です。まず…私は、シングルマザーです」

 僕は、ええっ、と思ったが、特にどよめきはなかった。

「簡単にいうと、彼氏に逃げられちゃったんだけど…もし、皆さんがそういうことになったとしても、やってほしくないことは、彼氏とか相手のせいにして『私は被害者だ』と思うこと…あ、このクラスは男子がいるんだよね、ごめんね」
 
 佐智子先生は、僕の方をちょっと見て、そう言った。
「いえ、大丈夫です」

「子供ができることは、レイプとかでない限り、それは両方の責任。皆さんはもう『ほとんど大人』だから、それは分かると思う」

「先生、一人で子供を産むこと、迷わなかったのですか?」

 胡桃ちゃんが、手を挙げてそう質問した。

「確かに、彼に逃げられたときは、このまま産んで育てられるかどうか不安になった。でも、それよりも、私の意志で命をひとつ潰してしまうことに、申し訳なさとかを感じたから…このまま一人でも、責任持ってこの子を育てよう、って思ったかな」
佐智子先生は優しく微笑んでそう話す。

「今は、私の両親が、娘を可愛がってくれているし」
佐智子先生が、一枚の写真を取り出した。

『かわいい!』
 多くの人からそういう声が上がった。

 一人の赤ちゃんの両側に、笑顔の、先生のお父さんとお母さんと思われる人。
 お母さんは、僕のお母さんとそんなに年齢が変わらないように見えた。

「本当に、両親が味方になってくれてよかった…世の中には、親とか、周りの大人に妊娠を言い出さずに、結果的に不幸な結果になる人のニュースもよく聞きます。皆さんは、そんなことはないように、知ってのとおり、この学校には妊娠した人を支援する仕組みもありますし、周りに味方がいない、ということだけは、思わないでください」

「先生、妊娠が分かったときって、どんな感じだったのですか?よく、生理が遅れて…という話は聞きますが…」

この質問は飛鳥ちゃんだ。
「そう、だな…大体はあってるかもしれない。なかなか生理が来なかったから、念のために病院に行って見てもらったら、妊娠がわかった…私もそうだったな」

どの時点で佐智子先生の元彼は、逃げたのだろうか。
その理由は当人じゃないからわからないが、同じ男としてでも許せないことではある。

「先生は、出産のときは大変でした?よく難産だと何時間もかかってやっと…とかって聞きますけど…」

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す