君の人生、変えてあげる。 56
「意見があって、それに賛成する仲間を集めよう、っていうこと、それは、正しい…」
僕は、腕組みしながら、言った。
「たっくん、それは優しすぎるよ…こうなったら、こちらも行動を急ごう…では、話していた生徒会本部役員立候補だけど、書記二人、会計一人を、みどり、可憐ちゃん、渚ちゃんにお願いすることは、いい?」
「もちろん!」
「私でいいなら、是非」
「みんなで協力すれば、きっと勝てるよ!」
3人の心強い援軍ができて、心底ホッとした。
「みんな、ありがとう」
「一緒に頑張ろうね!」
みどりちゃんに肩を叩かれる。
「次の集まりには、うちから立候補するみさちゃんと秋ちゃんも連れて来たいかな」
飛鳥ちゃんが言う。
次の『委員長会談』、日取りと場所は未定なものの近日中に行うことは決まった。
「反対派の動きが急になるなら、こっちも何かを起こすしかない」
飛鳥ちゃんは真剣な表情で言った。
―さて、今日月曜日はもうひとつ重要なイベントがある。
放課後に文芸部の見学をするんだ。
歩ちゃんに誘われて、見学をしてみようと思ったのだ。
他のクラスの子や、上級生からもいい反応が聞かれているらしいので、もしかしたら、生徒会選挙にも何か繋がる好材料があるかも…
…おっと、そうだ。
僕と同じく文芸部にお誘いを受けている皐ちゃんはどうするのだろう。
教室に戻って、昼休みは残り五分くらいになっていた。
皐ちゃんはひーちゃんと一緒にいた。
「ねえ、皐ちゃん、今日の放課後なんだけど…文芸部行ってみる?」
皐ちゃんは、あごに手を当てる動作をした。
「うん…まだちょっと迷ってる…」
「来てみようよ!」
ひーちゃんも背中を押す。
「うーん、たっくんも行くっていうなら、行ってみようかな…」
そして放課後。
歩ちゃんの案内で、文芸部の活動場所に向かった。
「部長の、黒田先輩は、いわゆる『歴女』なんだよ」