君の人生、変えてあげる。 542
「たっくん…」
沙羅ちゃん、もはや目が虚ろである。みんなに煽られ、流されて行ってるような気がしないでもないが…
「んっ」
「わっ」
沙羅ちゃんの舌先がクリーム越しにソコに触れた。
くすぐったい感覚。
少し腰を引いてしまう。
沙羅ちゃんは同調圧力に巻き込まれているとしか思えなかった。
他の者もそうだ。何もかもが成り行きで進んでいるのだ。
生徒会選挙もなんだかごちゃごちゃしているうちに進展していた。まるでジェットコースターに乗せられたかのようだ。
「あの、ちょっと、待って」
沙羅ちゃんは口を離す。
「そうしてくれるのは、とっても、うれしいんだけど、ほんとに、そうしたいと思ってくれてる?」
「もちろん…」
沙羅ちゃんがそう言うが、その言葉はやや自信なさげで、本心からではないようにも思われる。
確かにみんなと仲良くなりたい、という思いはある。ただこの今の流れはちょっと…と思った。みんなの視線もあるし。もちろん沙羅ちゃんのことは好きだ。でも今この状況はちょっと違う。
「ごめん、楓ちゃん、ティッシュ貰える?」
「あ、うん…」
身体じゅうに塗られたクリームをティッシュでふき取る。次に沙羅ちゃんの身体のもふき取る。
そうして、クリームを取り去って、何もつけていない状態で僕と沙羅ちゃんは向かい合った。
下半身は、もちろん、硬いままだ。
「沙羅ちゃん、もちろん、沙羅ちゃんとも仲良くなりたいと、思う…じゃあ、握手、しようか」
「うん」
そう言って沙羅ちゃんは右手を差し出した。これは明確な肯定と受け取っていいと思う。